建設業許可制度をこれから調べる人向けの記事はこちら!
建設業の許可の概要を超初心者向けにまとめています。 初めて許可を取得する方はぜひ一度ご覧ください。

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この記事の結論と要約
専任技術者が突然いなくなった場合にとるべき手続きと、いなくなっても許可が継続できるような人材活用、雇用の予防法を書いています。専任技術者がいなければ許可は取り消されます。自社に専任技術者の要件を満たしている人が他にいなければ要件を満たしている人を雇用しなくてはいけません。雇用する際の注意点もまとめています。

建設業の許可を取得するためには5つの要件を満たす必要があります。

要件の1つが営業所ごとに常勤の専任技術者を配置することです。

専任技術者は誰でもなれるわけではありません。なるためには建設業法で定める要件(条件)をクリアーしなくてはいけません。

専任技術者になるための要件については『建設業の許可の専任技術者になるための要件は?』をご覧ください。

専任技術者の要件は申請書を提出する時点はもちろん申請以降もずっと満たしてなくてはいけません

では、もし許可取得後に専任技術者が退社してしまうことになり、他に要件を満たした技術者が1人もいない場合は許可はどうなるでしょうか。

もし新しく代わりになる専任技術者を配置できなければ許可は失効してしまいます。

では、どうにか許可を継続するためにはどのような対処をすべきでしょうか。

この記事を読むことで専任技術者が営業所からいなくなった場合の対処法と、退社しても許可を失効させないための予防法を知ることができます

専任技術者が欠けた場合の対処

専任技術者が欠けるとは専任技術者の要件を満たした人材が営業所からいなくなることです。

一般建設業では専任技術者のほかにも主任技術者、特定建設業では管理技術者の配置義務が生じます。

主任技術者と一般建設業と特定建設業の違いについては

・『建設業許可の主任技術者とは?専任技術者との違いや役割

・『一般建設業と特定建設業の許可の違い。どっちをとればいい?

でご確認ください。

専任技術者が欠けた場合に取り組むべきことは他に専任技術者になれる者が自社にいるかいないかで決まります

代わりの者がいる場合

社内に要件を満たした人が他にいる場合、その人を専任技術者として届出せばいいです。

2週間以内に専任技術者の証明書類を提出します。

代わりの者がいない場合

専任技術者の要件を満たした人員が他にいない場合、2週間以内に専任技術者が退社した旨の届出書を提出する必要があります

その後、許可取消処分を受けて廃業届を提出するように行政指導されます。

廃業届?別に会社はたたまないけど。。

廃業届とは事業そのものを辞める手続きではありません。ややこしい名前ですよね。

許可を取得した行政庁に届出す書類で許可の取消を正式に申し出る手続きとお考えください。

許可の取消と聞くと良いイメージを持てないと思いますが、廃業届の取消は悪いものではありません。

廃業届で許可の取消処分を受けても再び要件を満たせばすぐに許可申請出来ますペナルティー的な許可の取り消し処分の場合、処分後から5年間許可申請ができません

詳しくはこちらの『しっかり判別したい2種類の建設業許可の取消』をご覧ください。

廃業届の許可取り消し処分はペナルティ的な処分ではありません。むしろ専任技術者がいなくなったのに届出をださないことがペナルティー対象です。

廃業届を提出する前に変更届を提出してください。変更届➡廃業届の順番で出してください。ここは要注意です。

詳しくはこちらの『廃業届、届出書はどんな場合に提出する?ペナルティーは?』をご覧ください。

アイコン-チェック・申請書を提出した以降も許可の要件はずっと満たしておかなくてはならない
・専任技術者になれる者を配置出来なければ許可は取消される
・代わりの専任技術者が配置出来ない場合、変更届➡廃業届の順番で提出する
・廃業届による許可の取消は、再度要件が満たせ次第すぐに許可申請できる

 

想定される代表的なケース

専任技術者が退社する代表的なケースは何でしょうか。

過去に専任技術者要件がいなくなり、許可要件を満たせなくなった事業所別に代表的ケースを確認しましょう。

中小企業、一人親方、個人事業主のケース

経営規模があまり大きくない事業所様の代表者(社長)は経営業務の管理責任者(以下、経管)と専任技術者を兼任していることがよくあります。

・経管=専任技術者   ということですね。

分かりやすい最たる例が1人親方です。従業員が全員で5人程度の法人も経営者と専任技術者が同一人物であることがよくあります。

いきなり専任技術者がいなくなるケース

例えば病気やケガなどの長期的な入院、不慮の事故による死亡などです。

その場合、

専任技術者=経営業務の管理責任者の

1人親方や5人程度の従業員を擁する法人は代表以外の人員を専任技術者に配置しなくてはいけません

専任技術者だけではありません。この場合、経営業務の管理責任者(経管)も変更しなくてはいけません。

経営業務の管理責任者については

・『経管になれる者が自社にいない場合、許可はどうする?

・『建設業の許可要件である経営業務の管理責任者を分かりやすく

こちらでご確認ください。

突然の専任技術者がいなくなることへの予防方法としては

◆専任技術者がいなくなることへの4つの予防方法


①技術者を社会保険に加入させて10年以上雇うことを目標とする

②工事に関連する学科を卒業した人材を優先的に雇う

③過去に自社と同じ業種の許可を取得している事業所に専任技術者として雇用されており、かつ社会保険に加入していた人中途採用で雇う

④資格取得を推進する

この4つです。

専任技術者になるための方法の1つは常勤で10年以上の実務経験です。許可申請では常勤で10年間働いた経験を書類で証明しなくてはいけません。これが結構大変なんです。

経験は10年以上あるのに常勤で働いたことを書類で証明出来ないことは残念ながらあります。

社会保険に加入することで常勤の証明が簡単になり、労働者もこの会社で長期的に働こうという意欲が出てきます。

③の過去に社会保険に加入していた会社が自社と同じ業種の許可を取得していれば、その技術者の実務経験の証明は比較的簡単に出来ます。

詳しくはこちらの『過去に働いていた会社の経験の証明方法|専任技術者の実務経験』をご覧ください。

なお国は今後、社会保険への加入を法人に義務付けるようにします。詳しくはこちらの『建設業の社会保険加入の指導に従わない場合どうなる?』でご確認ください。

絶対に許可を失効させるわけにはいかない!

予防方法は申し上げた通りですが、突然いなくなって予防方法では間に合わなかった場合はどうすればいいでしょうか。

この場合はすでに要件を満たした人を新たに雇用するしかありません

要件を満たした人材を常勤として雇用します。パートや請負契約ではダメです。

常勤として雇用することの証明は社会保険に加入させるか、技術者の住民税を会社で支払うようにすることで証明できます。

大企業のケース

大企業では異動が原因で要件を満たせなくなることが多いようです。

代表的なケースとして出向と事務所間の移動です。

出向のケース

出向社員は常勤性が認められれば専任技術者になれます。

しかし短期間での異動もあり得ます。会社が要件を無視して気付かぬうちに専任技術者の要件が満たせていなくなったことがないようにしましょう。でないと処分を受けることも。

事務所間のケース

また専任技術者は営業所ごとに配置しなくてはいけません。

2つの事務所の専任技術者にはなれません。

例えば本店、支店とあった場合に本店の専任技術者として配置した人材はB支店の専任技術者にはなれません。営業所ごとに配置しなくてはいけないからです。

本店から支店に専任技術者を異動させる時も要件を満たしていないと許可が取り消される恐れがあります。

社員を異動させる予定があるときは事前に専門家に相談することをおすすめします。

アイコン-チェック・病気や事故が原因で専任技術者が突然いなくなることはあり得る
・経管=専任技術者の事業所は特に不慮の事故に注意して予防策をとる
・社員を異動させる(出向)時は許可要件が崩れないか確認してから行う
・専任技術者は営業所ごとに配置する。本店と支店は別々の専任技術者になる

 

まとめ

建設業の許可をこれから取得しようとする方の多くは中小企業や個人事業主の方だと思います。

病気や不慮の事故に対処する予防方法は

・社員(特に若手)は社会保険に加入させること

・中途採用では既に要件を満たしている人材、あと少しで要件を満たせそうな人材を雇うこと

この2点です。

人材の履歴書を見ても要件を満たせているか分からなければ、役所でも行政書士にでもすぐに相談するべきです。わずかな時間のロスで雇用するチャンスを逃すことはあってはいけません。

このページでは実務経験しか言及していませんが、資格を取得している人材は複数の工事の専任技術者に比較的なりやすいです。例えば電気通信工事と電気工事の資格をそれぞれ持ち要件を満たせば2つの工事の専任技術者になれます。

それに対し、実務経験は1つの業種の専任技術者になるために最低でも10年の実務経験が必要です。これの意味することは2つの業種の専任技術者になりたければ、最低でも20年間の実務経験が必要となります。

10年間で電気通信工事も電気工事も同じくらい施工していたとしても2つの専任技術者にはなれません。

ざっくり言うと複数の業種の許可を取りたければ資格持ちが有利ということです。

資格は資格の証明書を提出すれば一部の例外を除いて実務経験は問われません。そういう意味では緊急で人材を探す場合は該当する有資格者の求人を出せばいいとも考えられます(人件費の問題もありますが)。

今回は専任技術者に関してでしたが経管が突然いなくなることもあり得ます。その場合の対処法は『経管になれる者が自社にいない場合、許可はどうする?』をご覧ください。

建設業許可の取得を考えているお客様へ

 

建設業の許可を取得したいけど自分で用意しようとすると色々面倒くさいなぁ。とお考えではないでしょうか?

実際にその通りで建設業の申請は用意する書類が膨大で1つでも不足すると役所は受理してくれません。

また決算届など許可後も継続的に書類の提出が求められます。不慣れなことをして必要以上に労力とストレスを感じることはとてももったいないことです。

そんなときは建設業許可専門の行政書士にお任せください。迅速・確実に許可を取得して継続的にお客様の事業発展、売上アップに貢献できるようにサポートさせていただきます。

・「元請から許可を取得しろと言われた。」

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これらは私が担当したお客様から実際にいただいた相談であり、全て許可が取れたケースです。

当事務所では、こういったお声や経験を基に建設業許可を徹底的に調べあげお客様には最小限の事務手続きで負担をかけることなく許可を取得することに成功しています。何の心配もなく本業に専念してください。

また許可取得後も末永くお付き合い出来るような信頼関係を築いていたいと思っております。分からないことあれば気軽にご相談ください。

 

 
当サイト監修

行政書士として建設業許可を中心に年間100件の相談を受ける。

特に建設業許可の申請手続きは開業から一貫して取り組み許可取得後のコンサルタントまで幅広く活動。

上田貴俊行政書士事務所

東京都港区赤坂9-1-7 赤坂レジデンシャル534

電話番号 03-6796-3064