この記事の要約
労働安全衛生法では危険な作業をする場合に無資格者の作業を禁止しています。特に危険な業務を就業制限と呼び労働安全衛生法61条で決められています。該当する業務の種類と免許や技能講習を確認してください。

 

労働安全衛生では、労働者の労働災害を防ぐために、危険・有害な作業に従事するものに一定基準以上の能力を求める規定があります。また特に危険・有害な業務については基準を厳格化し就業を禁止しています。

その禁止業務が就業制限業務です。

就業制限業務は免許又は技能講習の受講修了者のいずれかしか認められておりません。

事業者においては自社の業務、下請けが行う業務が就業制限業務に該当するかどうかを調べて、該当するのであれば必要とされる免許または技能講習の受講が修了しているか確認する必要があるということです。

このコンテンツでは就業制限業務の種類と必要な資格につき確認出来ます。

就業制限と必要な資格

就業制限に係る業務と必要な資格は、労働安全衛生法施行令第20条別並びに労働安全衛生規則第41条に定められています。

危険度が高い作業は免許、比較的危険な作業は技能講習といった関係性です。免許を有していれば技能講習を受ける必要はありません。

具体的には施行規則の別表3にて確認可能です。最低限のポイントを抑えて見やすくしたのが下記の表です。

就業制限業務必要な資格
発破作業発破技師の免許等
制限荷重が1t以上の揚貨装置の運転揚貨装置運転士の免許
ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱い特級ボイラー技士、一級ボイラー技士又は二級ボイラー技士の免許若しくはボイラー取扱技能講習の修了(一定の業務に限る)
ボイラー(小型ボイラーを除く)又は第1種圧力容器の溶接特別ボイラー溶接士又は普通ボイラー溶接士の免許(資格により溶接できるものが異なる)
ボイラー又は第1種圧力容器の整備ボイラー整備士の免許
つり上げ荷重が5t以上のクレーン(跨線テルハを除く)の運転クレーン・デリック運転士の免許又は床上操作式クレーン運転技能講習の修了(床上操作式クレーンに限る)
つり上げ荷重が1t以上の移動式クレーンの運転移動式クレーン運転士の免許又は小型移動式クレーン運転技能講習の修了(つり上げ荷重が5t未満のものに限る)
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
つり上げ荷重が5t以上のデリックの運転クレーン・デリック運転士の免許
潜水器を用いる潜水潜水士の免許
ガス溶接等の作業ガス溶接作業主任者の免許又はガス溶接技能講習の修了等
最大荷重が1t以上のフォークリフトの運転フォークリフト運転技能講習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
機体重量が3t以上の整地・運搬・積み込み用又は掘削用の車両系建設機械の運転車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)運転技能教習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
機体重量が3t以上の基礎工事用の車両系建設機械の運転車両系建設機械(基礎工事用)運転技能教習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
機体重量が3t以上の解体用の車両系建設機械の運転車両系建設機械(解体用)運転技能教習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
最大荷重が1t以上のショベルローダー又はフォークローダーの運転ショベルローダー等運転技能講習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
最大積載荷重が1t以上の不整地運搬車の運転不整地運搬車運転技能講習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転高所作業車運転技能講習の修了等
(道路上の走行は、道路交通法による免許が必要)
つり上げ荷重が1t以上のクレーン、移動式クレーン等の玉掛け作業玉掛け作業技能講習の修了等

覚え方

免許はともかく特別教育や技能講習は何かと混同しやすいですよね。

しかし明らかに違いがあります。

特別教育は1~2日程度で終わるものもあり、自社で特別教育を実施することも可能です。なので座学は教えますが、実技に関しては自社で実施して下さいといった外聞団体もあります。また特別教育の受講者要件も特にないことが多いです。

それに対し技能講習は労働局で登録を受けた講習機関で受講しないといけません。また講習を受講したと認められる受講時間数も特別教育より多いです。

免許に関しては厚生労働大臣が指定する者(指定試験機関)が行う免許試験に合格しないといけません。受験するためにも別の資格をもっていることや一定以上の実務経験が求められることもありますし、学科も実技ともに合格する必要があるという意味では一番ハードルが高いということにイメージを持つことは難しくないのではないでしょうか。

ちなみに作業主任者も免許か技能講習を求められますが、免許の方が少ないです。

作業主任者に関しては別の記事にてご確認ください。

作業主任者とは?必要な作業と免許、技能講習につき初心者向けに解説

条文確認

(就業制限)
第六十一条 

事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

 
2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なつてはならない。
 
3 第一項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。
 
4 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項(同法第二十七条の二第二項において準用する場合を含む。)の認定に係る職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、前三項の規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。

 

 

まとめ

就業制限の種類と資格についてまとめました。

特に危険または有害な業務の場合には無資格者が従事することを禁止しています。ちなみ労災保険料率が一番高いものは鉱業です。爆破する作業があれば就業制限にある発破作業に該当する可能性が高いです。就業制限の種類には労災保険料率とも相関性があるのは当然のこと言えるでしょう。

危険度としては、免許、技能講習、特別教育です。就業制限はすべて免許か技能講習の修了が求められますので自社の業務と関係あるか確認ください。