この記事の要約
建設業者のうち、ある業務に従事する労働者は年に2回、つまり半年に1回以上健康診断を受診させないといけません。そのある業務のことを特定業務と言います。対象者が誰なのか、特定業務が何なのかをこの記事にてご確認下さい。
 
労働安全衛生法では事業者で常時使用する労働者に定期的な健康診断を受診させることを義務付けられています。
 
雇入れ時や年に一回、健康診断を受けるのはイメージはおもちかと思います。
 
実はこの健康診断には通常時は年に一回ですが、ある特定の業務に従事する場合には6ヶ月に1回ごとに実施しなければなりません。
具体的な条文は次の通りです。
 
事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。     
 
(安衛則第45条)
 
建設業者はこの特定業務に従事する労働者が多いので、本コンテンツで自社が半年に一回以上実施すべきかご確認下さい。
 

6ヶ月に一回、健康診断が必要な業務

 
6ヶ月に一回以上、健康診断が必要な次の表に掲げる業務に従事するる労働者が該当します。
(規則13条一項3号)
 

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
 
ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
 
ホ 異常気圧下における業務
 
ヘ さく岩機、鋲びよう打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
 
ト 重量物の取扱い等重激な業務
 
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
 
リ 坑内における業務
 
ヌ 深夜業を含む業務
 
ル 水銀、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
 
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
 
ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
 
カ その他厚生労働大臣が定める業務
 
該当する業務に心当たりがある場合には最寄りの労働局にてお問い合わせください。
 

その他特定業務に従事する健康診断の注意点

 
注意点につき箇条書きでまとめました。
 
 
・健康診断の受診義務がある特定業務に従事する常時使用する労働者とは次の1及び2の要件を満たす者。
 
  ①6ヶ月以上使用される予定の者
  ②同種の業務に従事する労働者の一週間の所定労働時間数の4分の3以上であること
 
正社員だけではなく、契約社員、パート・アルバイトといった方も対象となる
 
 
深夜業の業務に常時従事する労働者とは、深夜業(午後10時から午前5時までの間に業務に従事)を 1 週に 1 回以上又は 1 月に 4 回以上行う方
 
・6ヶ月に一回以外にも、特定業務への配置転換の際には健康診断を受審させる必要がある
 
・特定業務の従事者健康診断は一般の健康診断の検査項目は同じ。受診機関には一般の健康診断を受診する旨を伝えれば問題ない