この記事の要約
建設業に従事する方向けに、労働災害で一番多い墜落防止措置につき絶対に知っておくべきこと5つをまとめました。労働災害が一番多い=法令で多くの規制がある という関係性なので、まだ何も知らない事業者はまずはこの5つを理解しましょう。
建設業の労働災害の中で一番多い、事故は何かご存知でしょうか。
 
それは墜落・転落です。
 
このことは厚生労働省労働基準局安全課が発表する「労働災害発生状況(速報)」で確認出来ます。
令和5年1~11月の間で3,800件もの墜落、転落の死傷災害が建設業で発生しており、全体の死傷災害の3分の1を占めているのが現状です。
 
また建設業の死亡事故は令和5年11月までで175件とありますが、そのうち墜落・転落は65件です。
 
それ故に労働安全衛生法、労働安全衛生規則では墜落・転落を防止するための規定、規則が複数定められています。
 
事業者においては、法令で定められているすべての墜落・転落防止措置を知っておくべきですが、何からしていいか分からない事業者もいらっしゃるかもしれません。
 
そこでこの記事では最低限、事業者が知っておくべき墜落・転落防止措置につきまとめました。
 

墜落・転落防止を防ぐために最低限知っておくべきこと

 
まず、取り組むべき墜落・防止装置を5つにまとめました
 
◆堕落、転落防止のための5つのポイント◆

 

①足元から高さが2m以上が高所にある
 
②作業床(さぎょうゆか)の基準
 
③要求性能墜落制止用器具(安全帯)の義務
 
④適正な脚立、はしごの使用
 
⑤特別教育の必要性

 

 
 
 
 
それぞれ確認しましょう。
 

①足元から高さが2m以上が高所に該当

 
労働安全衛生施行規則では高さが2メートル以上で作業をする場合に、墜落防止措置を設けることが義務付けられます。
 
この高さは足元からみて作業場所が2メートルです。
具体的には作業床(さぎょうゆか)の設置が原則です。作業床が設置出来ない場合には防網や安全帯などで対策をします。
 
また作業床の端や開口部には手摺や囲い(画像検索)を設ける必要があります。こちらも設置が困難な場合には防網や安全帯などで対策をすることは同様です。
 
またこれら安全対策をすればいつでも作業をしていいのかというとそうではありません強風や大雨など悪天候等の場合には禁止しなければなりません。強風や大雨の定義は具体的な数値が設定されているので都度確認が必要です。
 
とにもかくにも2メートル以上で作業をする場合には何かしらの墜落・転落防止措置が必要になることをまず覚えておきましょう。
 
労働安全衛生規則518条 519 520
 

②作業床(さぎょうゆか)の基準

 
高さが2m以上の足場には作業床を設置しないといけません。
 
労働安全衛生規則では作業床の幅などを次のように定めています。
 
イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。
ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。
ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。
 
 
また高さが85センチ以上の場合には手すりや中さんを設置することが義務付けられます。
作業床が適切に設置さされている現場か確認しましょう。
 
(労働安全衛生規則第五百五十二 第六百五十五条より)
 

③要求性能墜落制止用器具(安全帯)の義務

 
労働安全衛生規則が改正され安全帯を墜落制止用器具と呼称が変わりました。
 
この呼称が変更されることにより原則、フルハーネス型を使用することが必要になります。また胴ベルト型(U字つり)は墜落制止用器具と認められなくなりました。
 
胴ベルト型の一本吊りは作業場所の高さが6.75m以下の場合に使用することが出来ます。
 
墜落制止用器具を購入する際には作業員の体重や自由落下距離によって適切な安全帯が変わりますので購入・使用の際には必ず事前に確認されてください。
 
 
(労働安全衛生規則第521条より)
 
 

④適正な脚立、はしごの使用

 
高所作業をする場合には脚立やはしごを活用することが多いですよね。
 
まず脚立やはしごの違いを確認しましょう。
 
脚立はA字型で固定するもので、はしごはI字です。脚立の方がしっかり固定されます。
 
これらを利用、選ぶ際の基準が労働安全衛生規則で定められています。
 
【脚立】
①丈夫な構造であること
②腐食、損傷がないこと
③脚と水平面との角度を75度以下とし、かつ、折りたたみ式のものであっては、脚と水
平面との角度を確実に保つための金具を備えること
④踏み面は、作業を安全に行うため必要な面積を有すること
 
 
【はしご】
① 丈夫な構造であること
② 腐食、損傷がないこと
③ 幅は、30センチメートル以上あること
④ すべり止め装置の取付けその他固定等、転位を防止するために必要な措置を講じていること
(労働安全衛生規則第527条より)
 
 

⑤特別教育の必要性

 
高所作業をする際には足場を組み立てることが多いです。
 
この足場を組み立てるためには特別教育を受けた者でないといけません。
特別教育とは危険な有害な業務に従事する労働者に受講させる研修です。
 
労働安全衛生法59条3項には事業者は、厚生労働省令で定める危険又は有害な業務に労働者をつかせるときは、その業務に関する安全
又は衛生のための特別の教育を行わなければならない。とあります。
 
そして労働安全衛生規則36条の四十一号には次のように規定されています。
 
高さが二メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具(令第十三条第三項第二十八号の墜落制止用器具をいう。第百三十条の五第一項において同じ。)のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(前号に掲げる業務を除く。)
 
研修を修了しますと修了証が発行されますので作業時には携帯されてください。
 
 

まとめ

 
墜落防止措置について絶対におさえておきたい5つのポイントにつき解説しました。
 
建設業の中で一番労災事故が多いものが墜落、転落です。
 
事故が起きないことがベストですが、まずは法令で定められている防止措置については徹底してください。その徹底することがここに書いている5つをとっかかりとして利用してみることをご検討下さい。