解体工事の許可が新設され平成28年から500万円以上の工事を請負には許可が必要になりました。令和3年まではとびの許可で施工が出来る、とびの専任技術者で許可が取得出来るという経過措置があり現在は終了しています。解体工事業の許可を取得するためには解体工事でしか認められない専任技術者が常勤で働く必要があります。詳しくは記事名でご確認下さい。
※経過措置は既に終了しました。解体工事の経過措置についてはこちらこちらからご確認下さい。
建設業法の改正に伴い許可業種が29種類に増えました。
その増えた業種が解体工事業です。
今までは工作物の解体にはとび・土工・コンクリート工事(以下、とび工事)の許可があれば解体工事を施工できましたが、平成28年から解体工事業の許可を取らないと500万円以上の解体工事は請負ことが出来ません。
解体工事が新設された背景には、重大な公衆災害の発生、環境保護、建築物の老化などが挙げられ解体工事業にもプロフェッショナルが必要性が生じたからです。
平成28年6月から新設され、既にとびの許可で解体工事を請負っていた建設業者には3年間の経過措置がとられました。
この記事を読むことで、解体工事の許可を取得するために必要な技術者の資格要件と実務経験の算出方法、経過措置を知ることができます。
Contents
解体工事業の専任技術者の資格要件
解体工事業の専任技術者について確認しましょう。
一般建設業と特定建設業により認められる資格や実務経験は異なります。
また専任技術者以外のもので解体工事現場には主任技術者を配置しなくてはなりません。
主任技術者については『建設業許可の主任技術者とは?その定義と役割』でごご確認ください。
一般建設業の専任技術者
一般・解体工事業の専任技術者として認められる者は次の通りです。
※ 平成27年度以前に合格した者かつ解体工事1年以上の実務経験又は講習の受講が必要
一般・解体工事業の専任技術者の要件は以上です。
特定・解体工事建設業の専任技術者
特定・解体工事業の専任技術者として認められる者は次の通りです。
※ 平成27年度以前に合格した者かつ解体工事1年以上の実務経験又は講習の受講が必要
特定の専任技術者の要件を満たす者は当然に一般・解体工事業の専任技術者になれます。
実務経験の算出方法
一定以上の実務経験があれば解体工事の技術者になれます。
この実務経験、平成28年以前を含めるかどうかで取扱が異なります。
平成28年以前はとびでも解体工事が出来ましたので、解体工事を施工したことを証明した上で実務経験を申請しなくてはなりません。
詳しく確認しましょう。
平成28年以前のとび工事が『解体工事』と『新とび工事』に分裂する
平成28年6月からとび工事と解体工事は全く別物として区別されます。
便宜上、平成28年6月以前のとび工事を旧とび工事。6月以降を新とび工事と呼びます。
旧とびから解体工事が独立したというイメージです。
旧とび工事の実務経験は、とびを申請する際の新とび工事の実務経験として全てが認められます。
それに対し解体工事の実務経験は旧とび工事の解体工事に係る経験年数のみ認められます。
必ずしも解体工事のみの契約である必要はなく、一部でも解体工事を請負えば大丈夫のようです。
複数の工事の中に解体工事が含まれていれば、契約書の工期の全てが実務経験として認められます。ここは審査機関によっては取扱が異なるかもしれませんので、窓口にてご確認下さい。
経過措置を簡単に
さて、今では終了した経過措置ですが簡単にどんな物だったのかを説明します。
経過措置が取られた背景としては、今まで旧とび工事で解体工事をしていた業者が、改正法の施工日にパッタリ解体工事を請負うことを禁止されたら混乱が起こりますよね。
そこで一定の期間は旧とび工事の許可でも解体工事をしても良いとされました。
これを経過措置と呼んでいます。
経過措置は大きく2つに分けられます。
一つ目が、旧とび工事の許可を持っている事業所は平成28年6月から3年間は旧とび工事の技術者資格で解体工事業の許可がなくても解体出来ます。
もちろん経過措置後の3年目以降は解体工事業の許可を取る必要があるという取扱いです。
2つ目の経過措置が令和3年3月までは、上述した解体工事業の技術者資格だけでなく、とび工事の技術者として認められる専任技術者でも解体工事の許可が取得出来るということです。
とび工事の専任技術者と解体工事の専任技術者は現在は異なります。
しかし令和3年まではのとびの専任技術者でも解体工事の専任技術者として認める。
これが2つ目の経過措置です。
今は解体工事の専任技術者でないと解体工事業の許可は取得出来ません。
まとめ
平成28年から解体工事業は業種追加されました。
令和3年3月までは経過措置がありましたが、今は関係ありません。解体工事の許可を取得したい場合には解体工事業の許可を満たす必要があります。
ちなみに解体工事業の登録制度には影響ありません。許可と登録の違いについては『解体工事業は登録?許可?その違いと今後どっちをとれば良い?』をご覧ください。
分からないことがあればご相談ください。