この記事はYouTubeで配信している「【独立後にすぐ許可取れるかも?】職人の父親の元で修行していた方必見!建設業許可取得の有利ポイント!」の内容を文字起こししたものです。
建設業の職人の父親の元で修業したのちに独立した方が建設業許可を取る場合、必ずしも独立から5年経っていなくても許可要件を満たせる可能性があります。その条件について詳しく解説します。
Contents
はじめに
今回お話しするテーマは「職人の父親の元で修行していた方必見 独立直後でも建設業許可取れるかも!!」です。
建設業の職人の父親の元で何年間か修行をしてから独立されるという方は少なくありません。
独立をする決断に至ったのは、技術も磨かれ、父親を通さずとも仕事を貰えるようになったからという方も多いはずです。
しかし、独立して技術・信頼を獲得したが故に、元請業者や関係業者から「500万円以上の工事を発注したいので建設業許可を取ってほしい」と言われ、
「許可を取るためにはどうやら独立して5年経たないと許可が取れないらしい。困ったなぁ・・・」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方にお伝えしたいことがあります。
もしかしたら、独立して5年経たなくても、建設業許可が取れるかもしれません。
ある方法を使えば、「父親の元で修行していた期間」を「独立していた期間」と同等に見なされる可能性があります。
詳しい条件について確認していきましょう。
建設業許可を取るための条件
まず、建設業許可を取るための条件を簡単に確認しましょう。
許可を取るための条件は、この図のように全部で7つあります。
その1つに経営業務の管理責任者(通称:ケーカン)というものがあり、原則「建設業の事業主としての経験が5年以上ある事」が求められます。
よって、自分が建設業者として独立してから5年が経たないのであれば、許可条件をクリアできません。これが一般的な認識です。
しかし、実は・・・
経営業務の管理責任者として認められる方法は「独立してから5年以上の経験」以外にもあります。
経営業務の管理責任者として認められる方法
その方法の1つが「経営業務の管理責任者に準ずる地位で経営業務を補助した経験が6年以上あること」です。
何だか小難しいですね。
簡単に言うと「お父さんの建設業の経営を手伝った経験が6年以上あること」です。
経営を手伝った経験の具体的な例としては、
・下請け業者との契約締結
・現場の技術者の配置等に従事した経験 などが挙げられます。
つまり、この経営業務を補助した経験が6年以上あることを書類で証明できれば独立して5年経たなくても許可の要件を満たすことが可能ということです。
補助した経験を用いて許可要件を満たす場合の注意点
ここからは、お父さんの経営業務を補助した経験を用いて許可要件を満たす場合の重要な点につきお話しいたします。
大きく確認して欲しいことは次の3つです。
注意点① お父さんは個人事業主だった?
まず『お父さんが個人事業主だったかどうか』です。
お父さんが代表を務める法人で経営業務を補助していた場合は今まで申し上げたことに該当しない可能性があります。
もちろん「絶対に認められない」わけではないですが、法人で補助した経験で許可要件を満たす規定は別途存在しています。
よって、役所からは、そっちの規定を使って証明をするように指示を受ける可能性が高いです。
これは別途相談レベルになるので、この記事での説明は割愛します。
つまり、個人事業主のお父さんの元で6年以上修業した方がこの記事でお話しする対象者です。
注意点② お父さんからある程度の給料はもらっていた?
①を踏まえて2つ目の重要ポイントは『お給料の額をある程度もらっていたかどうか』です。
なぜ給料の額が関わってくるのでしょうか。
この「補助した経験が6年以上」というのは、客観的に統一した基準で証明することはどうしても難しいからです。
“個別具体的な証明は難しい、とはいえお父さんの経営業務を手伝っていたのであればお給料は平均より多くもらっていたはず。むしろ、管理職相当の金額はもらっていたはず・・・経営の補佐をやってたのかも・・・!”と推定されます。
つまり、給料の額を確認することでその人が経営業務を補助する立場であったことの推定が働くということです。
注意点③ 当時の資料は保存されており、借りることは可能?
3つ目は『お父さんが当時の資料を保存している かつ その資料を借り受けなくてはいけない』です。
さきほど、建設業の個人事業主であるお父さんの経営業務を補助した経験が6年以上あることで許可要件を満たすことができる、と言いました。
それらを書類で証明できなくてはいけません。
具体的に必要な書類は次のものです。
(2) (お父さんが)建設業を営んでいたことがわかる資料
(3) (お父さんから)給料をもらっていたことがわかる資料
※ いずれも最低6年間の資料が必要
それぞれの書類につき説明します。
資料(1) 確定申告書
まずは確定申告書です。確定申告書は、独立しているのであれば税務署に必ず提出しています。
もちろん、当時税務署に提出したことの確認も見られるので、証明するためには、確定申告書の表紙に税務署の受付印 または 電子申請したことがわかる書類が必要です。
資料(2) お父さんが建設業を営んでいたことがわかる資料
次にお父さんが建設業を営んでいたことがわかる資料について説明します。
これは、お父さんが建設業許可業者かどうかで、用意する書類が異なります。該当するものは下記のとおりです。
● 建設業許可を持っていない場合 ⇒工事の請求書や請負契約書
資料(3) お父さんから給料をもらっていたことがわかる書類
最後にお父さんから給料をもらっていたことがわかる書類です。
例えば、お父さんが青色で確定申告をしていた場合、収支内訳書の給与計算の内訳表などが使えます。
ここに申請人の名前とある程度の金額が書いてあれば認められるでしょう。
この収支内訳書も税務署に提出した受付印が確認されるため、ご注意ください。
これらが無い場合は「源泉徴収票が使えるのか?」等、個別具体的に探していくということになります。
ここまで、3つの資料について説明しました。
最後に、補助した経験を用いて許可要件を満たす場合の3つの注意点についてまとめます。
② お給料の額をある程度もらっていたかどうか
③ 当時の資料が保存されており、借りることが可能かどうか
まとめ
お疲れさまでした!
今回は「職人の父親の元で修行していた方必見 独立直後でも建設業許可取れる かも!!」というテーマでお話しいたしました。
この動画では「お父さん」という表現を使いましたが、お母さんでももちろん大丈夫です。
基本的にお父さんの元で修行されている方が多いと思ったので統一しました。
この、補助した経験6年で許可要件を満たすことは、独立して5年経ったことと比べるとどうしても客観性が弱いです。
よって、補助した経験で許可を希望する場合には、必ず審査窓口で事前に相談してください。
審査機関によって審査項目や必要書類が異なる可能性があるからです。
また、今回お話ししたのは建設業の許可要件の1つである「経営業務の管理責任者」についてです。
許可を取るためには他の6つの要件も満たさなくてはいけません。
許可要件について詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧下さい。⇒「建設業許可要件 徹底解説」
もし誰も雇わずに許可を希望する場合には、技術者の要件も自分で満たさないといけません。
もし、
・ 特に資格を持っていない
・ 理系の高校・大学を卒業していない
のであれば、実務経験が10年以上あることが許可には必要です。
この記事でお話しした、お父さんを補助した経験の3つの資料は実務経験としても認められます。
もしお父さんの元で10年以上修行していたのであれば、先ほど申し上げた資料を10年分以上用意できれば専任技術者としても認められる可能性が高いです。
ご参考までに。