この記事はYouTubeで配信している「【建設業許可】更新申請時に必ずチェックするポイント!」の内容を文字起こししたものです。
建設業許可には有効期限があり、その許可を継続し更新するためには手続きが必要です。適切に申請し更新許可を受けるためのチェックポイントをまとめたのでご確認下さい。
Contents
はじめに
今回お話しするテーマは「建設業許可を更新!スムーズに許可を受けるための4つの重要ポイント」です。
建設業許可の有効期限は5年です。
この有効期限を伸ばす場合には、更新申請をする必要があります。
更新申請は新規申請より提出書類が少ないですが、決して簡単な申請というわけではありません。
適切に申請しないと申請書は受理されず、更新許可を受けることはできません。
また、許可の有効期限を1日でも過ぎると、絶対に更新申請の書類は受理されず、再度新規で許可を受ける必要があります。
そうすると、大体1ヶ月間の無許可期間が生じることになるので必ずご確認下さい。
建設業許可の更新申請時に必ずチェックするポイントは全部で4つです。
① 適切にすべての届出を提出していること
② 取締役の重任登記は適切に完了しているか
③ 75歳以上の常勤性証明書類の用意
④ 役員調書の賞罰の有無
それぞれにつき、詳しく説明していきます。
スムーズに許可を受けるための4つの重要ポイント
① 適切にすべての届出を提出していること
建設業許可制度は、許可を受けた後に毎年「決算変更届」「事業年度終了届」といった名称の届出の提出が義務付けられています。
具体的には別の動画で説明しますが、簡単に言うと、下記の内容を記載して提出するということです。
● 全体の工事の売上高
・・・前期にどれくらい工事の売り上げがあったのか
● 許可を受けた工事の施工内容
・・・どういう工事を施工したのか
● 元請または下請での工事の総量
・・・元請けまたは下請けの立場でどれくらいの工事を施工したのか
提出期限は決算日から4ヶ月以内です。
許可の有効期限5年のうちに決算期を迎えたものは、全て提出する必要があります。
決算変更届だけではなく、他にも変更届出の提出義務のあるものは全て提出しておかなくてはなりません。
・ その他変更届出事項
・ 商号の変更
・ 従たる営業所の名称の変更
・ 営業所の所在地、電話番号
・ 郵便番号の変更 etc…
決算変更届を始め、それぞれの変更届出事項には提出期限が設けられています。
許可行政庁によって提出期限への温度差があるので、遅れてしまった場合には正直にその旨を告げて、別途提出すべき必要書類があるか等を確認してみて下さい。
これら書類の提出義務のある変更事項届出書類を提出できていないと、更新申請は受理されません。
② 取締役の重任登記は適切に完了しているか
法人と非公開会社について、それぞれ説明します。
(1)法人の場合
法人の場合、取締役に就任するためには登記をする必要があり、会社ごとに取締役の任期が定められています。
任期後も間を置かずに同じ人が取締役を再度務める場合に必要な手続きが「重任登記」です。
(2)非公開会社の場合
非公開会社の場合、取締役の任期は最大10年なので、独立して5年経って(実務経験取得後)すぐ建設業許可を取った会社が更新申請をする場合には重任登記をしていないことが問題になることがよくあります。(※本当に多いです)
重任登記をしていなかった場合に行うこと
重任登記をしていない場合には、
・迅速に手続きすること
・任期が切れていた期間も取締役を務めていたということを証明する書類を用意する
ということが必要なのでご注意下さい。
③ 75歳以上の常勤性証明書類の用意
ケーカンや専任技術者は常勤性がないと認められません。
この常勤性の証明は原則、健康保険証にある会社名の部分で確認されます。
ただし、75歳になると健康保険証は今まで使っていたものではなく後期高齢者医療制度のものになり、そこには会社名は書かれていません。
よって、他の書類で常勤性を証明します。
常勤性を証明する書類として用意するのは、一般的には
・ 住民税の特別徴収決定通知書
・ (特別徴収への)切替申請書の控え
になります。
ここで「労働者である専任技術者の給与額が最低賃金法を下回るのでは?」と判断されれば、常勤性に疑問が生じます。
75歳未満の常勤性証明に使う健康保険証は、給料額は確認されませんが、75歳以上になると給与額が確認されるのでご注意下さい。
④ 役員調書の賞罰の有無
取締役は全員、「調書」 という書類を作成しなくてはいけません。
この調書には氏名・住所・生年月日・役名等といったすごく基本的なプロフィールを書くので、ちょっと注意が向かない部分があります。基本的な内容のため、注意が疎かになりがちということですね。
しかし、この書類を提出することの意味は“取締役が欠格要件に該当していない”ことの宣誓です。
基本的には 、賞罰の有無の項目は「無」で良いのですが、もし許可を受けてから賞罰に関わったり欠格要件に該当したりするようなことがあったとすれば、これを「無」と書いて提出すると虚偽申請に該当します。
虚偽申請は許可の取消処分を受ける上に、3年以下の懲役 又は 300万円以下の罰金が科せられます。
よって、更新申請時には取締役全員に「欠格要件に該当していないか?」を確認の上、調書をご作成下さい。
まとめ
最後に、これまでお話した4つのポイントをまとめます。
① 適切にすべての届出を提出していること
② 取締役の重任登記は適切に完了しているか
③ 75歳以上の常勤性証明書類の用意
④ 役員調書の賞罰の有無
以上になります。