まとめと要約
この記事はYouTubeで配信している「【建設業許可】よくある質問TOP10」の内容を文字起こししたものです。
建設業の許可を取得した事業者さんからよく受ける質問をTOP10形式でまとめました。ご参考になさって下さい。

はじめに

今回お話しするテーマは「【建設業許可】よくある質問TOP10」です。

ありがたいことに、今まで多くのご依頼・ご相談を受けてきました。

振り返ってみると、地域/時期/年齢にかかわらずよく受ける質問があることに気づきました!

そこで今回は「【建設業許可】よくある質問TOP10」という形で質問をピックアップし、それにつき回答いたします。

この質問はあくまで当事務所のランキングです。一般的によく受ける質問ではないかもしれませんが、そこはご了承ください。

【建設業許可】よくある質問TOP10

その①
Q,新規申請の許可が下りるまでの期間はどれくらいですか?

A,知事許可であれば申請書が受付されてから大体1~2ヶ月程度、大臣許可であれば4ヶ月程度です

ただしこれは、あくまでも役所が審査する期間です。

申請書を作成・提出するためには申請に必要な添付書類や情報を収集する時間がかかります

よって、なるべく早く許可を取りたければ、必要な書類や情報を迅速に収集することが重要です。

これは、行政書士だけでは完遂できないものがある点につきご了承ください。

その②
Q,特定の許可要件を教えてください!

A,まずはざっくり、次の4つの質問にお答え下さい。これらの質問に全部YESであれば、特定の許可要件を満たせている可能性があります

特定の許可要件簡易チェック

① 資本金が2,000万円以上ありますか?

② 直近の決算で純資産額が4,000万円以上ありますか?

③ 直近の決算で赤字ではなかったですか?

④ 建設業法上の一級の有資格者はいらっしゃいますか?

実際に特定を取得できるかどうかは、細かく資料を確認して精査した上で進めていきます。

その③
Q,主たる営業所と従たる営業所で許可を取る業種は違ってもいいですか?

A,はい。営業所ごとに許可業種は違っても問題ありません!

【例1】
東京都の主たる営業所で「電気通信工事」「電気工事」の2業種、大阪の従たる営業所では「電気通信工事」「管工事」の2業種。

これは、認められます。

ただし注意点として、同一業種の「一般」と「特定」は営業所ごとに分けることは出来ないということが挙げられます。

【例2】
東京都の主たる営業所で「特定」の電気通信工事業を取得している会社が、大阪の従たる営業所で「一般」の電気通信工事業を取得する。

これらは出来ない、ということです。

許可業種は「特定」か「一般」のいずれか1つに揃えることが必要になります

その④
Q,経営業務の管理責任者や専任技術者は、前任者が辞めてから変更手続きをしても大丈夫ですか?

A,辞めてからの変更手続きでもいいですが、注意してほしいことがあります

◆注意点◆

建設業許可を受けると、そこから1秒たりとも“許可要件を満たせていない状態”になってはいけません

つまり前任者が辞めた時点で、要件を満たしている後任者がいるその状態でバトンタッチをするということが重要です。

◆ 経営業務の管理責任者(ケーカン)の場合
前任者が取締役等を退任した以前に・・・
後任者は、経営経験と常勤性の要件を満たして取締役等に就任していなければなりません

◆ 専任技術者の場合
労働者であれば前任者が辞めた日時点で・・・
後任者が技術的な要件を兼ね備えて社会保険に加入していることが確認されます

変更される場合にはご注意下さい。

その⑤
Q,「実務経験証明書類」って具体的にはどんなものですか?

A,必要期間分の工事の請求書や契約書です

例えば管工事業の10年間の実務経験を証明する場合には、10年分の管工事の請求書や契約書を用意しなくてはいけません。

ただし、審査する自治体によってどれぐらい用意しなくてはいけないかはそれぞれです。

自治体で証明書類と認めるケースについて例を挙げると、例えば1年に1件あれば1年と認める自治体もあれば、3ヶ月に1件つまり春夏秋冬で1件ずつ用意すれば1年であると認めるといったところもあります。

具体的には、申請する自治体の建設業許可の手引きに書いていますのでご確認下さい

その⑥
Q, 実務経験を用いて「監理技術者証」を取得したい!注意点を教えて下さい。

A,①「指導監督的実務経験」を証明する資料が必要です。
 ②「指定建設業」に該当しない業種かどうかにつきご確認下さい。

「監理技術者証」を取得すれば、特定の専任技術者の要件を満たせます。

参考までに、機械器具設置工事業の特定を取得している会社は実務経験で監理技術者証を取得している会社が多い印象です。

申請するにあたって、2年以上の指導監督的実務経験の書類の提出が必須です

ちなみに、指導監督的実務経験とは、発注者から直接請負った請負代金4,500万円以上の工事で建設工事の設計または施工の全般について責任者的な立場で総合的に指導監督した経験を指します。

この経験が2年以上あり、それを証明することができれば監理技術者証を取得出来るということです。

仮に指導監督的実務経験の証明者がすでに解散している会社であっても、当時の指導監督的実務経験の提出が求められるので、これらを使って証明する場合には事前に準備しておきましょう。

また、全ての業種で実務経験を使って監理技術者になれるわけではありません。その業種というのが指定建設業です。
⇒ 指定建設業の詳細については特定の許可取る事業所必見!7つの指定建設業の注意点にてご確認下さい。

これらの業種では、有資格者でないと特定の専任技術者になれませんのでご注意下さい。

その⑦
Q,建設業法の改正によって経営業務の管理責任者の要件って緩和されたんですか?

A,緩和されたといえばされたけど、劇的には変わっていません。

緩和というより、経営業務の管理責任者になれる選択肢が増えたというイメージが強いです。

しかしこれは、比較的規模のある許可会社が突然無許可状態になるのを防ぐ規定です。

よって、今まで会社員だった方が独立してすぐ許可が取れるというような緩和ではないので、ご注意下さい。

その⑧
Q,昔働いていた会社の経験を使って許可を取りたいけど、資料を借りられる関係性にない・・・どうすればいいですか?

A,申請する自治体の、実務経験を認めるパターンを調べましょう。

申請する自治体によって審査方法は様々です

例えば東京都の場合、以前勤めていた会社が建設業の許可会社で、その会社が許可を持っていた期間と申請者が厚生年金に加入していた期間が重なれば実務経験として認めるという取り扱いがあります。

つまり、当時の工事の請求書や契約書がなくても認められるので、以前働いていた会社に連絡する必要はありません。

ただしこれは、全国的な取り扱いではありません

自治体によっては、当時の請求書や契約書を必ず見せるように言ってくる自治体もあります。

・ 審査期間が実務経験をどういうパターンであれば認めるか?
・ どの位の資料なら集められるのか?
・ 何がネックなのか?

このように、許可行政庁の審査方法によって適切な打ち手は変わってくるので、専門の行政書士に相談してみて下さい。

その⑨
Q,代表取締役、会社名を変更したので、許可通知書を再発行したいけど出来ますか?

A,出来ません!

原則、許可通知書は申請が下りた時に発出されるものなので変更届出が出されただけでは変わりません

対外的に証明する場合には、窓口で許可証明書を発行して下さい。

その⑩
Q,専任技術者は現場に行ったらダメなんですか?

A,原則ダメです。

専任技術者は現場ではなく、許可を受けた営業所で仕事をすることが求められています

その営業所で請負契約を締結する際の技術的な責任者的な位置付けです。

それに対し、現場で働く技術的な責任者のことを主任技術者と呼びます。

専門用語を使えば、専任技術者と主任技術者は原則兼務できない、ということです。

とはいえ、一人親方や小規模事業主が、専任技術者を現場に置かないと仕事にならない・・・なんてことは当然に起こりえます。

そこで、専任技術者を主任技術者として配置する際の例外規定があります。

その例外規定の条件が、

● 営業所と近接している
かつ
● 請負金額が4,000万円未満 の現場です。

今現在、この条件を満たしていれば専任技術者は現場に配置できるという取り扱いです。

例外規定に当てはまらない、4,000万円以上の工事を請けるご予定のある事業者さんは、専任技術者とは別に主任技術者も必要なんだとお考え下さい

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以上です。ご不明な点がありましたらお問合せ下さい。

動画はこちらです。