一式工事 専門工事

この記事の結論と要約
一式工事と専門工事の関係性についてまとめています。一式工事の許可を取得しても専門工事を単独で請け負うことは出来ません。各々で許可が必要です。では一式工事の部分を構成する専門工事はどうでしょうか。ある条件を満たせば自社で施工出来ます。詳しくは本文でご確認下さい。

建設業の許可は全部で29種類あります。

29業種の内訳は2つの一式工事と27の専門工事です。自社で施工する工事の該当業種の許可を取れば大きな額の工事を請負うことが出来ます。

専門工事はイメージ出来ると思いますが一式工事とは何でしょうか。次のように定義されています。

◆一式工事とは


総合的な企画、指導、調整のもとに大規模で複雑な土木工作物または建築物を建設する工事であり、複数の「専門工事」を組み合わせて行う建設工事

個別の専門工事として施工することが困難であり複数の工事が関係する工事を企画、指導、調整する工事が一式工事に該当します。

このように書くと『一式工事>専門工事』という関係性にも見えますよね。だとすれば一式工事の許可を取得すれば関係する専門工事も施工していいのでしょうか。

この記事を読むことで一式工事と専門工事の関係性を知ることが出来ます

一式工事と専門工事の関係性

結論から言うと、一式工事の許可を取得しても専門工事を単独で請け負うことは出来ません。

一式工事の許可はあくまでも総合的な企画、指導、調整のもとに大規模な工事を施工する許可です。専門工事の許可を取得しないと500万円以上の工事は請負えません。

一式工事を構成する専門工事

一式工事は複数の専門工事で構成されています。

では発注者から直接請け負った一式工事の場合、それに付随する専門工事は自社で全て施工出来るのでしょうか。

答えは直接請け負った一式工事を構成する専門工事であったとしても、無条件に自社で施工することは出来ません。

では一式工事の部分を構成する専門工事はだれが施工するのでしょうか。次のように分けられます。

◆一式工事の中の専門工事の施工者


・該当する工事の要件を満たす自社の主任技術者

・下請けの専門工事業者

無条件に自社で施工は出来ないと書きました。

自社で施工するための条件は工事現場に配置する主任技術者を自社にいることです。その現場に配置出来るのあれば施工出来ます。主任技術者と専任技術者は違います。詳しくは『建設業許可の主任技術者とは?専任技術者との違いや役割』でご確認下さい。

もし自社に主任技術者がいなければ、専門工事の業者に下請けに出します。

この際、下請けの専門工事の事業所が適切な社会保険に加入しているかチェックする義務があります。適切な社会保険に加入していないと下請け業者に選んではいけなくなる日がすぐ近くまで来ています。

その点については『知っておきたい建設業の社会保険未加入事業所への指導』でご確認下さい。

まとめ

一式工事の許可を取得しても500万円以上の専門工事を請負うことは出来ません。

それぞれの許可がまた必要です。

一式工事の中の専門工事であっても当然には施工出来ません。主任技術者が必要です。いなければ下請けに出します。下請けに出す際は、適切な社会保険に加入しているか必ずチェックしましょう。元請は下請け業者を社会保険に加入させる義務が課されているからです。