建設業許可を取得するために実務経験の証明が必要なケースがあります。その実務経験が外国で積んだ実績の場合には国土交通大臣から認定を受けないといけません。また外国の学校や資格も建設業法と照らし合わせて認定を受けるケースもあります。認定までの流れを記事にてご確認ください。
建設業許可を取得するためには建設業許可の要件を満たさないといけません。
そのうち役員であれば経営経験が5年以上、専任技術者であれば申請業種の実務経験が3年~10年有することが必要で。
この実務経験の実績は外国で施工した工事の実績も活用することができます。
ただし当然に許可行政庁に実績を提出しても認められません。国土交通大臣から認定を受けることが必要です。
これが建設業許可の手引きに書いてある
建設業法第7条第1号ハに「国土交通大臣が個別の申請に基づきイ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者」です。
専任技術者(専技)についても、建設業法第7条第2号ハ(特定建設業は同法15条第2号ハ)に「国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者」と書かれています。
行政書士が申請する際に実際に活用するケースは少ないですが、大体はゼネコンの海外支社で働いていた方が利用するイメージが強いです。
今回は私が申請を支援した経験をベースに海外の実務経験を活用する場合の具体的な流れや注意点につきまとめます。
Contents
外国実績の対象者
主に次の方が想定されます。
国土交通大臣認定申請書を提出するにあたり、独特な注意点をまとめました。
上記に該当する実務経験は日本人でも外国人でも大臣に認定されることで常勤役員や専任技術者になれます。
そのために認定を受けたい書類を添付して認定申請書を提出します。
提出先
申請書の提出先は許可行政庁ではなく国土交通省不動産・建設経済局国際市場課国際調査係です。
郵送でやり取りします。
認定必要書類
・認定申請書 |
大臣認定申請の3つの注意点
認定申請書を提出するにあたり、注意点をまとめました。
それぞれ確認しましょう。
①証明書類を翻訳した書類の公証が必要
建設業の実務経験でも資格者証でも外国の実績であれば日本語ではありません。
なので資料を翻訳する必要があります。
その翻訳したものを公証役場に持っていき、翻訳が正しいと公証を受けることが必要です。
外国法人の取締役の実績を証明する場合には、外国の登記簿に準じた書類が必要になります。
②日本の実績と合算できる
実務経験の場合、一部だけ外国の実績の場合もあるかと思います。
その場合には合算が可能です。
つまり日本の実務経験が2年、外国での実績が3年あり認定を受けられれば5年の実務経験を有するということです。
③経営の実務経験は工事の契約書しか認められない
各種、許可行政庁には実務経験の認め方が自治事務として幅広く決められています。
例えば東京都では建設業許可業者で役員を務めていたことが証明できれば、その期間の経験経験は契約書がなくても認められます。
ただし、大臣認定は認められません。その会社が有名なゼネコンでも契約書を提出出来ないのであれば大臣認定がおりないということです。(令和5年時点)
ちなみに専任技術者は契約書だけではなく発注証明書でも良いので幾分弾力性があります。
許可行政庁では認められている方法でも、国土交通大臣認定では証明出来ない点につきご注意下さい。
その他注意点
その他注意点としては許可行政庁の感覚で書類を提出しない方が良いと思います。
私の時は担当者が1人しかいなく、全国から書類が届いているのでお忙しいのか、ガッツリ相談する時間はないと感じました。またいくら合理的な範囲で証明しようとしても、契約書がなければダメといった感じで形式を重視する印象です。
なので実務経験系の書類はご注意下さい。
まとめ
外国で積んだ実務経験を用いて常勤役員いわゆる経管や専任技術者として申請する場合には国土交通大臣の認定を受ける必要があります。
認定を受けるためには認定申請書と証明書類を準備しなくてはいけません。また外国語の書類は公証を受けなければいけない点についてもご注意下さい。
提出先は許可行政庁ではなく国土交通省です。
はれて認定を受けると認定通知書が届きます。こちらが証明書になるので、大切に保管して下さい。
認定通知書のサンプルを載せておきます。
お疲れ様でした。