行政庁 手数料 建設業許可

この記事の結論と要約
建設業許可を取得するために必要な法定手数料についてまとめています。許可には様々なパターンがあり、パターンにより手数料が異なります。また誤った手続きをすると手数料が余分にかかってしまういます。まずご自身がどの許可に該当するかを確認してください。すぐに手数料の一覧をご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

許可を受けるには役所に支払う手数料がかかります。

申請の際に登録免許税または手数料として支払います。法定手数料はご自身で書類を作成しても行政書士に頼んでも必ずかかるお金にです。

許可を受けるための法定手数料は一体いくらくらいでしょうか

それはとりたい許可の内容により異なります。

次の3点の質問に答えることで手数料が分かります。


・『初めて許可を取る』か『許可を取得していたが許可内容に変更がある又は同一内容の許可を更新する』か

・知事許可か大臣許可か

・業種は一般か特定のどちらか、または両方取得するのか

大まかな説明ですが知事許可、大臣許可の判断は営業所が複数の都道府県にあるかないかで判断します。

例えば営業所が一ヶ所のみ、複数営業所あるが全て都内のみであれば知事許可になります。東京都と埼玉県に一ヶ所すつなど複数の都道府県に営業所があるなら大臣許可になります。

詳しく知りたい方は『建設業許可の「知事許可」と「大臣許可」の違いは何?』をご覧ください。

一般と特定の違いについては元請業者として工事をするかしないかで判断します。元請として請負う予定がないのであれば一般に該当します。元請として下請けに4,500万円以上工事を請負わす可能性があるなら特定に該当します。

詳しくは『一般建設業と特定建設業の許可の違い。どっちをとればいい?』でご確認ください。

初めて許可を取る事業所と(以下、新規)許可は取っているが内容を変更したい&同一内容で更新したい事業所(以下、更新等)向けに場合分けして説明します。

この記事を読むことで自分が許可を取得する場合に必要な手数料と申請時の注意点を知ることができます。

原則ルール!法定手数料の考え方

初めて許可を取得する事業所も更新等をする事業所も法定手数料には共通するルールがあります。

ルールを理解するためにはベースとなる法定手数料を知らなくてはいけません。

◆ベースとなる法定手数料


・知事許可であれば9万円

・大臣許可であれば15万円

・更新、業種追加であれば5万円

新規申請時は知事許可と大臣許可で法定手数料は異なります。更新と

ベースとなる法定手数料って?

法定手数料は許可を取得する業種の数により変動します。変動する手数料を算出する上で必要なものがベースとなる法定手数料です。

建設業の業種は全部で29種あります。業種ごとに許可を取得して、許可を取った業種のみ500万円以上の工事を請負えるようになります。

その1つ1つの業種は必ず一般か特定のどちらかで許可を受けます。一般と特定の両方で許可を取得は出来ません。


例、一般で電気工事の許可を取得した場合、特定で電気工事の許可は取れない。

例、本店では元請で電気工事をしたいが、支店では下請けのみでいい。本店は特定、支店は一般という許可を取ることは出来ない。

しかし別々の業種をそれぞれ一般と特定の許可を取得することは出来ます


例、電気工事を特定で許可を取得し、電気通信工事は一般で許可を取得する

例、電気工事は元請として中心に請負い、電気通信工事は下請けしか予定がないから特定と一般でそれぞれ許可を取る

この知事と特定の許可を取得する場合、手数料はベースとなる法定手数料の2倍かかります

知事許可で9万の2倍の18万、大臣許可で15万の2倍の30万円になります。更新の場合は5万円の2倍の10万円になります。

一般と特定の許可を同時に取得する場合は法定手数料が2倍かかるとお考え下さい。

一般か特定のみで複数業種の許可をとる場合は?

一般か特定のどちらかのみで複数の業種の許可を取得する場合の手数料はいくらかかるのでしょうか。

答えはベースとなる法定手数料のみです。

例、知事一般許可で電気工事と電気通信工事と内装仕上工事の3つ許可を取得する。法定手数料は9万

例、大臣許可で29種類全部の工事を特定で取りたい!法定手数料は15万円

あくまでも一般のみ、特定のみであれば法定手数料は変わりません。許可が同一であれば申請業種の数と手数料は関係ありません

逆に言えば許可を取得する業種が2種類でも一般と特定が1つずつであれば2倍の法定手数料がかかります。

注意点!!

このように申請時には業種を何個でも申請しても法定手数料は変わりません。

しかし時が経てば許可業種を増加することもあり得ます。許可後に業種追加をする場合は業種追加の手数料が発生します。後述しますが知事大臣ともに法定手数料手数料は5万円です。

何を注意して欲しいかというとまとめて申請した方が手数料が低く抑えらえるという事実です。

例えば新規申請の許可取得後、何ヶ月後かすぐに違う業種の要件を満たして業種追加をしたら手数料がもったいないですよね。

申請時には、許可を取りたい業種があとどれくらいで許可要件を満たせるか必ず確認しましょう。

以上が新規と更新等に共通する法定手数料の考え方です。

では初めて許可を取る人、更新等で許可を取る人を場合分けして法定手数料を確認しましょう。

初めて建設業許可をとる人、新規申請の人

初めて建設業許可を取る事業所の申請区分は新規申請になります。

新規申請は次のうちのどちらかに該当する場合です。

■新規申請に該当する場合■


・まさしく初めて許可を取得する

・前に取った許可の有効期限が切れて、再度許可を取得する

新規申請に該当しましたか。

新規申請のベースとなる法定手数料は知事が9万、大臣が15万です。

既に建設業の許可を受けている事業所、更新申請の場合の手数料

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すでに許可を受けている事業所が関係する法定手数料は次の通りです。

■許可を受けている事業所が関係する法定手数料■


・更新手続き

・業種追加

・許可換え新規

・般・特新規申請

1つずつ確認しましょう。

更新手続きの手数料

ずばり更新手続きです。

今まで取っていた同一内容の許可を更新する場合を指します。更新手続きのベースとなる法定手数料は知事・大臣ともに5万円です。

更新手続きの注意点!

許可の有効期限は5年間です。

更新申請の手続きをするためには有効期限中に手続きを開始しなくてはいけません。期限を一日でも過ぎれば更新手続きは出来ません。新規申請になります。新規申請の方が法定手数料が高い&審査期間中は無許可期間などデメリットは計り知れません。

また業種追加が出来るのは一般か特定の既に許可を受けている業種のみです。一般建設業のみの許可なら業種追加は一般のみ追加出来ます。特定の業種を追加したい場合、それは業種追加ではありません。後述する般・特新規申請になります。

詳しくは『建設業許可の更新!損しないために気を付けるポイントとは』でご覧ください。

許可換え新規の手数料

許可換え新規とは既に建設業許可を取得している事業所が許可者を変える手続きです。

知事許可や大臣許可と言うのは許可者を表しています。知事から許可をもらうから知事許可。大臣も同様です。

◆許可換え新規に該当するケース

・知事許可から大臣許可に変更

・大臣許可から知事許可に変更

・他都道府県の知事から他都道府県知事の許可に変更

許可換え新規は新規申請と同じ扱いになります。

許可換え新規のベースとなる法定手数料は知事が9万、大臣が15万円です。

許可換え新規の注意点


許可換え新規は申請日時点で建設業許可が有効でなくてはいけません。申請に許可書の写しが必要です。

新しい許可を取得するので旧い建設業許可番号は引き継がれません。

新しい許可が下りれば旧許可は失効します。旧許可の有効期限が終わってしまえば、審査期間中であってもその期間は無許可状態になります。

許可換え新規についてはこちらの『他の都道府県に新たに営業所を置くことになった場合の手続き』をご覧ください。

般・特新規申請

般・特新規申請とは一般または特定の片方のみの許可を受けている者がもう片方の許可を取得する手続きです。

◆般・特新規申請に該当するケース

・一般建設業の許可のみ取得してる者が新たに特定の建設業の許可を受ける

・特定建設業の許可のみを取得している者が一般の建設業の許可を新たに受ける

一般と特定では許可要件が異なりますので新規申請の扱いになります。

よって般・特新規申請のベースとなる法定手数料は知事許可であれば9万円、大臣許可であれば15万円です。

般・特新規申請の注意点

特定から一般の許可を取得することは比較的難しくありません。なぜなら専任技術者の要件さえ満たせばいいからです。

しかし一般から特定の場合、専任技術者要件だけでなく資本金や財務諸表の健全性など財産要件が関係してきます。特定の許可については『特定建設業の許可を取りたい人|許可要件を分かりやすく』をご覧ください。

般・特新規申請については『建設業許可の申請区分の『般・特新規申請』とは?』でご確認ください。

手数料の一覧表

知事許可を取得したい人

申請区分法定手数料
新規9万
許可換え新規9万
更新5万
業種追加5万
般・特新規9万

※ 法定手数料は現金か収入証紙で支払う。

※ 一般と特定の両方を取得する、更新する場合は2倍かかる

大臣許可を取得したい人

申請区分法定手数料
新規15万
許可換え新規15万
更新5万
業種追加5万
般・特新規15万

※ 新規申請として取り扱うものは登録免許税として支払う

※ 更新、業種追加は収入証紙で支払う

※ 一般と特定の両方を取得する、更新する場合は2倍かかる

収入証紙と登録免許税の大きな違い

仮に申請が却下された場合、支払済の登録免許税は戻ってきますが現金や収入証紙代は戻ってきません。

知事許可や更新手続きの場合はご注意ください。専門家に相談することをおすすめします。

登録免許税は許可申請を行う国土交通省地方整備局に対応する税務署に直接払い込む方法と、日本銀行や郵便局を通じて管轄税務署宛てに納入して領収書を許可申請書に貼付する2つの方法があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ベースとなる法定手数料は私の造語ですので、他では通用しないのでご注意ください。

手数料がいくらか決まるには冒頭で触れた通りです。次の3つの質問に答えられれば手数料が分かります。


・『初めて許可を取る』か『許可を取得していたが許可内容に変更がある又は同一内容の許可を更新する』か

・知事許可か大臣許可か

・業種は一般か特定のどちらか、または両方取得するのか

知事から大臣に許可者が変更する場合、専任技術者だけでなく財産要件も関係します。専任技術者が揃っただけではダメと頭の片隅にでも置いておいて下さい。

また記事では触れませんでしたが

《業種追加と般・特新規を同時に申請》や《更新と般・特新規を同時申請》など組合わせで法定手数料を算出する場合もあります。ベースとなる法定手数料のルールさえ分かれば導き出せますが無理して計算することはないでしょう。

役所や行政書士にどういう許可を取りたいか伝えた方が早いです。手続きが煩雑だと思えば遠慮なくご相談ください。