建設業 更新

この記事の結論と要約
建設業の許可の有効期限は5年です。有効期限の30日前までに更新手続きを終えることが求められています。許可の有効期限、2ヶ月前くらいから更新の手続きを始めましょう、もし有効期限内に手続きが間に合わないと許可は失効し、新規で取りなおす必要があります。再度新規申請となると審査期間中は無許可期間になり、500万円以上の工事を請負ことが出来ません。スムーズに更新手続が受理されるように注意点を確認しましょう。

建設業許可には有効期限があります。

有効期限が切れる前に更新手続きをしないと許可は失効してしまいます。失効した場合は再び新規申請が必要、その間は無許可期間なので500万円以上の工事は受注出来ません。

更新手続きをスムーズに申請するためには、許可の有効期間中に課せられる義務を知り、適切に行っておくことが重要です。

この記事を読むことで更新手続きをスムーズに行うための注意点を知ることが出来ます

更新申請をスムーズに行うための注意点

許可を取得すれば当然に更新手続きが受けられるわけではありません。

しっかりと義務を果たした事業所のみ、更新申請が認められます。

更新手続きをするための遵守事項は次の5つです。

◆更新手続きを受けるための5つの遵守事項


① 有効期限の30日前までに更新申請をする

② 毎年、決算届を提出する

③ 必要事項に変更があった場合、期日内に変更届出を出す

④ 許可の要件を常に満たせているか。特に人員要件

⑤ 適切な社会保険に加入しているか

1つずつ確認しましょう。

① 許可の有効期限日の30日前までに手続きを行う

建設業許可の有効期限は5年です。

許可の有効期限日の30日前までに更新手続きを完了する必要があります

具体例を出すと、許可の有効期限日が2020年の4月1日までであれば同年の2月末日までには更新手続きを終えなくてはいけません。

有効期限日のちょうど30日前が土日の場合はどうなるでしょう。

その場合も土日以前に手続きを終える必要があります。土日が明けてからだと30日前に手続きをしなかったと判断されます。

許可の有効期限日は許可の通知書に書いています。

30日前までを過ぎたらどうなる?

もし30日前の期日を過ぎたら更新手続きは受けられないのでしょうか。

基本的に許可の有効期限内であれば申請書の受理はしてもらえます

ただし都道府県によっては追加の書類等求められることもあるので注意が必要です。必ず有効期限日の一ヶ月前までに更新手続きを完了させることを忘れないでください。

ちなみに有効期限が過ぎたら如何なる理由があろうとも更新申請は認められません。再び新規で申請する以外方法はないです。

よくある注意点としては、定款上の取締役就任期間です。

株式会社であれば10年間を就任期間とすることが出来ますが、忘れていて10年を超えているにもかかわず重任の登記がされていないことです。

重任が確認されないと受理されないのでご注意ください。

② 決算変更届出の提出

建設業許可を取得すると毎年『決算変更届』を提出する義務が生じます。事業年度終了後の4ヶ月以内に提出しなくてはいけません。事業年度は個人事業主であれば1月〜12月、法人は法人ごとに異なります。

この決算変更届とは財務諸表を基に建設業法上、提出が求められている項目を記載し作成する届出書です。

詳しくは決算変更届とは何?更新申請と経営事項審査との関連性にてご確認ください。

この決算届が有効期間中の1年分でも未提出があると更新申請は出来ません。

更新手続きをするためには4〜5回、決算変更届を提出している状態でなくてはいけないということです。

③ 必要事項に変更があった場合、期日内に変更届出を出す

建設業の許可を受ければ重要な事項は逐一届出を出す義務が課せられています。

例えば許可要件の経営業務の管理責任者、専任技術者なども変更する場合には必ず変更の届出が必要です。

許可要件以外のものでも次の項目に変更があった場合は、その都度期間内に変更届を提出しなくてはいけません。

変更後30日以内に提出が必要
  • 商号
  • 営業所
  • 資本金の額
  • 役員
  • 支配人
変更後2週間以内に提出が必要
  • 経営業務の管理責任者
  • 専任技術者
  • 令3条の使用人
事業年度終了後4ヶ月以内に提出が必要
  • 決算変更届

注意点としては提出期限を過ぎてしまった場合でも必ず報告することです。

変更届出について詳しくは建設業許可に関係する変更届出書、廃業届はどんな場合に提出する?罰則はある?にてご確認ください 。

④  経営業務管理責任者と専任技術者の要件は常に満たしているか

建設業の許可要件の2つの人的要件を満たしているかを常に確認しましょう。なぜなら許可後も常に満たせていることが求められているからです。

両者とも常勤性が証明出来ますでしょうか。

経営業務の管理責任者は他の会社で代表取締役が一人しかいない会社で代表取締役になっていないでしょうか。

専任技術者は営業所から通える範囲に住んでいるか、給料は13万円程度もらっているかも確認が必要です。

他の注意点としては経管や令3条の使用人が欠格要件に該当していないかです

刑罰を処せられるとその役員がいる限りは許可は継続出来ません、また罰則を受けているにもかかわらず、罰則なしと書いて更新許可を取得すると虚偽申請に該当し許可の取消処分の対象です。

欠格要件について詳しくは次のリンクからご確認下さい。

建設業許可要件の欠格要件について。5年は許可取れないの?

建設業法の欠格要件に該当する役員等の定義。許可は取消?

⑤ 社会保険に加入しているか

令和2年から建設業許可の要件に社会保険に加入していることが加わりました

更新申請時に未加入はもちろん、許可後に社会保険の未加入期間が発覚すると許可要件を満たせていないことになります。

詳しくは建設業許可の要件化!社会保険の加入は必須|建設業法改正にてご確認下さい。

特に悪質だと判断されると健康保険法や厚生年金法を根拠に刑事罰もないとは言い切れません。そうなると欠格要件にも該当していましまいます。

アイコン-チェック・許可には5年の有効期限がある
・有効期限日の30日前までに更新申請を終える
・更新手続きをするためには5つの遵守事項に注意する
・社会保険に加入しないと許可の更新は受けられない

更新申請と新規申請の違い、メリット

更新申請は新規申請と比べて手数料や手続き面でもメリットがあります。

まずは手数料についてです。

知事許可の更新申請は5万円、新規申請の場合は9万円です

大臣許可は更新申請が5万円、新規申請は15万円です。

他には財産的要件です。

一般建設業のみですが財産要件が500万円を下回っていても許可は更新出来ます。毎年決算変更届を提出しれば問われません。ただし特定の更新時は必ず財産要件は確認されるのでご注意ください。

まとめ

更新申請の手続きをスムーズに行うために必要な5つのポイントについてまとめました。

更新申請の審査期間中は旧許可は更新の審査結果が出るまで有効です。無許可状態になることなく事業が行えます。

更新申請をするために特に重要な点は次の4点です。

・建設業許可要件を常に満たしておくこと

・変更変更届や決算届を期限内に提出すること

・社会保険には加入し続ける

・取締役の重任手続

この4つをしっかり守っていれば更新申請時に慌てることはないはずです。