個人事業主でも建設業の許可は取得できます。法人と許可の要件が異なることはありません。一定以上の金額の工事を受注するためには建設業許可が必要です。ただ許可をうけた後に法人化した場合、個人事業主としての許可は法人に引き継がれません。法人化する場合の注意点もまとめています。
※令和2年の法改正により、無許可期間が生じないで法人へ許可が引き継げることになりました。その場合には、事前に審査機関に認可を受ける必要があるのでご注意ください。
このページをご覧になっているあなたは個人事業主として建設事を営んでいる方でしょう。
独立して5年経てば許可が取れると聞いて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
建設業の許可は取りたいけど、個人事業主でも許可は取れるのか?とお調べになる方はいらっしゃいます。
結論を言えば個人事業主でも建設業の許可は取れます。
個人法人問わ建設業許可を取得するための要件を満たせているかどうかで判断されます。
この記事でご確認下さい。
このページを読むことで個人事業主が建設業許可を取得するための要件を知ることができます。
Contents
個人事業主が建設業許可を取るためには
500万円以上の工事を請負う場合には建設業の許可が必要です。
これは個人も法人も同じです。
それを踏まえ、建設業の許可の要件は全部で6つです。
リンク先で詳しく確認出来ますが、ざっと説明します。
許可を取るためには経営業務の管理責任者という法人の役員又は個人事業主を5年以上経験した者が必要です。原則、個人事業主本人が該当します。
他に専任技術者という取得したい業種に対応する知識経験が豊富な技術者が必要です。これは経営業務の管理責任者、つまり個人事業主本人が兼務する形でも大丈夫です。自分で要件を満たさなければ他の人を雇用しても問題ありません。
あとは銀行の預金に500万円以上あることが求められます。
これらを証明するための資料があることも重要です。
確定申告書の控え(税務署の受付印があるもの)と工事の請求書や契約書は必ず全て保管しておいてください。工事代金も銀行の履歴が残るものが望ましいです。手形や手渡しだと証明が困難になります。
将来的に法人化する場合、個人事業主の許可は有効?
事業規模が大きくなればなるほど、法人化が迫られることが増えてきます。
その場合、個人事業主で取得いた許可は法人に引き継げるのでしょうか。
今までは、許可は引き継がれませんでした。
しかし今では引き継ぐことが出来ます。出来ますが、令和3年現在ではあまり申請実績はないようです。
事前に認可を受けることが必要など、正直手続き手間とが時間かかります。
もし1ヶ月程度無許可期間があってもいいのであれば(つまり500万円以上の工事を請け負わなくてもいい期間が1ヶ月程度あるのであれば)、個人の許可の廃業と法人の新規許可申請を同時に申請する方が楽だという考えもあります。
公共工事を入札している個人事業主だと許可番号を変えたくないことがあると思いますので、事前に専門家に相談することをお勧めします。
法人化にご関心のある方は『法人成り|建設業許可を受けている個人事業主が法人化する注意点』もご覧下さい。。
無許可期間を最短にして許可を取りたい!
もし個人事業主を廃業して法人を取得する場合には無許可期間を最短化したいですよね。
その場合は個人事業主の許可の廃業届と法人の新規許可申請を同時に申請することが無許可期間を最短にします。
そのためには新規申請に必要な申請書と添付書類を準備して、廃業届出と合わせて申請することが重要です。
建設業の許可も知事許可なら1ヶ月ほど、大臣なら120日ほどで許可が下ります。
このことについては『法人の設立と建設業許可の取得を同時に行う場合の注意点』でまとめています。
また廃業届って何?と思われた方は建設業許可に関係する変更届出書、廃業届はどんな場合に提出する?罰則はある?でご確認下さい。
・法人に許可番号を移す場合には手間がかかる
・個人事業主を廃業して法人で新規申請も出来る
・法人の新規申請書と個人の廃業届出の同時提出が無許可期間を最短化させる
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まとめ
個人事業主(一人親方)でも当然、建設業の許可は取得出来ます。
まずは建設業許可の要件を満たせているかを確認しましょう。
個人事業主の許可は法人に譲渡することは可能ですが、手間がかかります。少なくとも1回は窓口に行って相談をしなくてはいけません。
そういったことに抵抗があるのであれば、個人事業主の許可を廃業して法人で新規申請するパターンも検討しましょう。
その際のリスクは無許可期間が生じることと許可番号が変わることです。
細心の注意を払ってお取り組み下さい。
法人化に対しご不明な点や不安な点があればご相談ください。