変更届 建設業許可

この記事の結論と要約
建設業の許可を受けた後に、要件を満たせなくなってしまった場合の事業者が取るべき手続きについてまとめています。具体的には届出書と廃業届です。それぞれの書類がどういう意味をもち、どういう場合に提出するのかが確認出来ます。

建設業法では許可を受けた許可業者に許可申請時から情報に変更があれば、変更内容を記した書類の提出を義務付けています。

許可取得後も書類の提出に関して義務が課せられているということですね。これらの届出を適切に行わないと指導が行われ、建設業許可の更新や業種追加申請が受付られません。

代表的なものとして決算変更届出や登記簿上の変更等が挙げられます。

詳しくは『決算変更届とは何?更新申請と経営事項審査との関連性』にて確認下さい。

今回説明するものは廃業届出と届出書についてです。

タイトルにある廃業届という文字を見ると、会社をたたむときに必要な届出だと思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。

この記事を読むことで廃業届と届出書が何なのかが分かり、提出すべきケースを知ることが出来ます

廃業届を提出するケース

次の事由に該当するときに30日以内に廃業届を提出します。

◆廃業届を提出する代表的なケース


・個人で営業をしていた事業主が死亡したときの、その相続人

・法人が合併して消滅したとき、消滅した会社の役員であったもの

・法人が破産手続き開始の決定により解散したとき

・法人が解散したときの清算人

・許可要件を満たすことが出来なくなった時

共通点として建設業の許可を受けていた事業所が存続しなくなることです。

建設業の許可を受けるには要件を満たす必要があります。事業を営んでいく上で、やむを得ず要件が満たせなくなることがあります。

例えば経管や専任技術者が退社して後継者が他にいない場合や結核要件に該当すれば廃業届出必要です。

ただ専任技術者が退社しても、ある一部の業種だけが許可を継続出来ない場合には一部廃業届という書類が必要になります。

また建設業法とは直接関係しませんが、許可を受けている主体がそもそも存在しなくなれば許可の継続は不可能ですよね。

こういった建設業法、各種法令違反にならないために、自ら主体的に届出す書類が(一部)廃業届です。

許可が取消れると以後5年間は許可が取れない?

欠格要件には許可が取り消されると向こう5年は許可を取得出来なくなると読み取れるものがあります。

廃業届を提出したことで許可を取消た場合には、原則向こう5年間許可が取れないことはありません。再び要件を満たせるようになれば、いつでも新規申請をして許可を取得出来ます。

向こう5年間許可が取れないのは、虚偽申告により許可を取得したことが役所に見つかり、自ら廃業届出を出して処分を免れようとした場合です。

重ねて言いますが、廃業届による許可の取消はペナルティー出はありません。要件が満たせなくなったことを正式な手続きを踏んで報告したにすぎません。

届出書を提出するケース

建設業許可に関係する届出書とは次のケースに該当するときに提出します。

◆届出書が必要な代表的なケース


・経営業務の管理責任者を削除・変更した場合

・令3条の使用人令3条の使用人を削除・変更した場合

・専任技術者を削除・変更した場合

経管や専任技術者の代わりになれる人がいる場合といない場合

許可申請書に記入した経営業務の管理責任者や専任技術者が退社する場合は、代わりの要件を満たせる者への変更届出を2週間以内に提出します。

注意点は経管や専任技術者は1日もいない日があってはいけません。よって変更する際は必ず変更出来る要件を満たす人物なのかを確認しましょう。

前任者が退職した後に、後任者が誰もいないと後から発覚すれば、許可が失効し(一部)廃業届を出さなくていけなくなります。

代わりになれる者がいない場合、残念ながら許可は継続出来ません。

よって廃業届を提出します。

経管がいなくてお困りの方は経管になれる者が自社にいない、いなくなる場合にすべきことをご覧下さい。

まとめ

建設業の許可取得後も許可業者には様々な手続上の義務が課されています。

この記事では許可の維持に関わる届出事項に絞ってまとめましたが、登記簿上の変更事項等他にも届出義務があります。

詳しくは『建設業許可業取得後の事業者に課せられる5つの義務』にてご確認下さい。

これら届出を出さないと許可の更新手続、業種追加申請書が受理されなかったり、公共工事の入札に参加出来なかったりデメリットは無視出来るものではありません。

許可要件を満たせなくなり廃業届を出すにことによる許可失効は出来れば避けたいものですが、許可要件を満たせておらずに事業を継続して役所から処分を受けるた場合のリスクを鑑みると、迅速に届出すことが一番望ましいです。

無許可期間は生じますが再度要件を満たし、書類申請書を提出すれば許可は取得出来ます。

 

許可を維持できる方法がないかお困りの方は専門家にご相談することをお勧めします。