秋田県で建設業許可を初めて取得する方向けに超初心者向けに解説しました!建設業許可制度の概要を理解し、自社が許可を取得できるかどうかのご判断にお役立てください。太字と画像だけ読めば要点は理解出来るようになっております。また所々に弊社のyoutubeチャンネルにて建設業法の説明をした動画の切抜を貼り付けています。文章より動画の方が理解が進む方は全体版の動画をこちらからもご確認いただけます。
秋田県内に営業所のある建設業者が税込500万円以上の建設業工事を請け負えるようになるためには、建設業許可の取得が必要です。
いまこの記事をご覧になっている方も、建設業許可を元請から取得して欲しいと言われた、技能実習生を雇いたい、500万円以上の工事を受注したいといった理由で建設業許可の取得方法を調べられているのではないでしょうか。
建設業許可は要件という基準を満たすことで取得できます。
そしてその要件を満たしていることを書類で証明しなくてはいけません。
また建設業許可と一言で言っても、業種といって請負工事の種類はどれに該当するのかも判別する必要があります。
そこで、今回この記事では秋田県内で建設業許可の取得を希望する事業者向けに、具体的にどのような流れで自社が取得すべき建設業許可を判別し、どんな手続、書類が必要なのかにつき解説します。
初心者向けに解説しておりますので、ご安心して読み進めて下さい。
では本題に入りましょう。
秋田県内で建設業許可を取得する流れは次の順番で進みます。
一つずつ確認しましょう。
Contents
①自社が取得すべき適切な形態・業種の確認
建設業許可は業種ごとに細分化され、事業者によって適切な形態は全く異なります。
よってまずは自社が取得すべき建設業許可はどれに該当するかを確認することが重要です。
具体的には次の3つの観点で判断します。
(1)知事許可 or 大臣許可 (2)一般 or 特定 (3)取得すべき業種 (例、電気工事 or 電気通信工事 etc) |
これら事業者ごとに適切に判断する必要があるという意味です。
またこの記事では建設業許可取得までの大まかな流れを理解することが目的になります。
よって自社がどの工事の種類(業種)で許可を取得すべきかを判断するための質問を3つにまとめました。
自社が取得すべき建設業許可の判断方法
以下3つの質問にお答え下さい。
質問
①秋田県以外の都道府県に営業所はありますか?
②元請けとして4500万円以上の工事を受注する予定はありますか?
③同業他社が取得している業種が分かる or 元請業者から取得して欲しいと言われている業種はありますか?
この3つの質問への回答がそれぞれ
①秋田県以外の都道府県に営業所はありますか? →ない ②元請けとして4500万円以上の工事を受注する予定はありますか? →ない ③同業他社が取得している業種が分かる or 元請業者から取得して欲しいと言われている業種はありますか。 →ある |
このような回答だった場合、
貴社が取得すべき建設業許可は知事許可の一般で③に該当する業種です。
実際に初めて建設業許可を取得する多くの事業者が一般の知事許可に該当します。
もし上記の回答以外だった場合は、
・知事許可でなく大臣許可
・一般ではなく特定
・工事の契約書や請求書から必要な業種を選別する
という風になります。
特に業種は全部で29種類もあります。
業種の判断方法は別記事にてご確認下さい。
もしこれを読んでも自信がなければ、事前に建設業を担当する課や行政書士に相談されることをおすすめします。
ちなみに、大臣許可とは秋田県以外の都道府県に建設業の支店があること、特定とは元請業者として4500万円以上の下請工事を出すために必要な許可です。
この説明でイメージが湧くと思いますが、知事許可より大臣許可、一般より特定の方が許可取得の難易度は高くなります。
なので先程も書きましたがこれから初めて建設業の許可を取得するほとんどの建設業者が知事許可の一般に該当するということです。
500万円以上の工事を施工出来るようになり、売上規模が拡大していけば今度は大臣や特定の許可を取得するといった流れが一般的です。
よってこの記事では初めて許可を取得する方向けに制度を大まかに理解することを目的としていますので、『大臣許可』や『特定』に関しては詳しい説明を省きます。
ご興味のある方は下記の別コンテンツでご確認ください。
②取得すべき建設業許可の要件を満たしていることの証明
自社で取得すべき適切な建設業許可の業種、形態が分かりました。
次にやるべきことはその「取得すべき業種の建設業許可の要件を満たしていることを書面で証明する」です。
ではその具体的な建設業許可の要件を確認しましょう。
建設業の許可を取得するための要件は全部で6つあります。
上記6つの要件を全て満たす必要があります。
この要件は個人も法人も同様です。
また許可を受けた後も常に要件を満たし続けることが許可継続には求められます。
それぞれ詳しく確認しましょう。
1.財産要件について ~建設業許可~
財産要件とは一定金額以上の資金を持っていることを条件としたものです。
一般建設業の財産要件は500万円以上の自己資本をもっていることです。
これを証明するためには次のいずれかの書類が必要です。
つまり(1) or (2)のいずれかの方法で証明出来れば問題ないということです。
それぞれ確認しましょう。
(1)500万円以上ある銀行口座の残高証明書
財産要件の証明に預金口座の残高額を証明した書面を使います。
この書面を残高証明書といい、銀行口座の証明残高が500万円以上あれば財産要件を満たせていることになります。残高証明書は銀行の窓口で発行することが原則です。
注意点としては証明日と発行日の違いを認識することです。
証明日は残高証明書の発行日ではありません。預金残高額が口座にあった日になります。
口座の残高額の証明日から建設業許可の申請日が離れていると認めてもらえません。
自治体により異なりますが、証明日が申請日から1ヶ月以内であることが求められます。注意しましょう。
例えば証明書の発行日が5月10日でも、残高額の証明日が5月6日であればその証明書は5月6日から1ヶ月後、つまり6月5日までが有効ということになり、建設業許可申請書も6月5日までに受理されないといけない、ということです。
また残高証明書は原則、原本が必要なので証明書には銀行の印鑑が押されていることも確認されます。
ただし銀行窓口が存在しないネットバンクであれば、マイページにログインして残高証明書を印刷したものでも大丈夫です。
これは申請窓口に事前に確認しましょう。
(2)直近の決算日で貸借対照表に純資産が500万円以上あること
事業をしていれば個人事業主、法人ともに毎年決算書類を提出することが義務付けられます。
個人事業主であれば3月15日まで、いわゆる確定申告の期限内に提出し、法人であれば自らが定めた決算日から2ヶ月以内に決算書を管轄の税務署に提出することが必要です。
その決算書の中に貸借対照表という書類があり、純資産額の合計という項目が確認出来ます。
この直近の決算における純資産額の金額が500万円以上あれば、財産要件は満たせていることの証明は終了です。
書類の見方に自信がなければ顧問税理士に「直近の決算で純資産額は500万円以上ありますか?」と確認してみてください。
以下、画像にて財産要件につきまとめました。
まだ決算を迎えていない場合は?
貸借対照表は決算を一回でも迎えないと作成できません。
では、会社を設立したばかりで決算を迎えていない建設業者は残高証明書以外に証明する手段はないのでしょうか。
そんなことはありません。ただし資本金が500万円以上あることが条件です。
開始貸借表という書類を作成してください。
資本金が500万円以上あれば財産要件を認められます。
なので建設業許可取得を見越して法人を設立する場合には資本金を500万円以上に設定することを検討してもいいでしょう。
決算期を迎えておらず資本金が500万円未満であれば500万円以上の預金が確認出来る銀行口座の残高証明書を準備すれば問題ないはずです。
財産要件の証明方法は以上になります。
ちなみに特定建設業を取得したい場合はこの財産要件では満たせません。特定は元請業者向けの許可なので財産要件に関して一般建設業より厳しく要件が課せられています。
ご関心のある方はこちら 「特定建設業許可を取るための重要ポイントはこれ!|建設業許可」 にてご確認ください。
2.欠格要件について 〜建設業許可〜
次に欠格要件です。
欠格要件とは、「今まで悪いことをしていなかったか、経営者として判断能力に問題はないか」という意味です。
「対象者のうち一人でも欠格要件に該当すれば許可を与えてはならない」と規定されています。
・ 法人 ⇒ 役員全員
・ 個人事業主 ⇒ 本人
つまり経営者です。
経営者とは法人であれば取締役、個人事業主であれば原則、本人です。
以下両者のことを経営陣といいます。
この経営陣のうち1人でも欠格要件に当てはまったら許可を受けることが出来ません。
なので経営陣全員に以下の質問をしてみてください。
✓ 自己破産したことはあるか?
✓ 昔、建設業許可を取り消された心当たりはあるか?
✓ 昔、建設業の営業停止処分を受けた心当たりはあるか?
✓ 禁錮刑、罰金刑、懲役刑を受けたことはあるか?
✓ 未成年者か?
✓ 暴力団と関係があるか?
✓ 精神的な障害があると診断された経験はあるか?
経営陣の皆さんの返答は全てNOでしたでしょうか。
返答が全部NOであれば、欠格要件は問題ないと言えます。
もしどなたか1人でも、どなたか一つでもYESがあれば許可を取得出来ない可能性があるので詳しく話を聞いてみましょう。
特に過去5年以内にスピード違反で逮捕されたことはないですか?と重点的に確認して下さい。いわゆる赤切符に該当するスピード違反で懲役刑(執行猶予でも)に処せられれば欠格事由に該当します。
動画でも欠格要件について解説しておりますのでよろしければこちらをご確認下さい。
3.営業所要件について〜建設業許可〜
次は営業所要件を確認しましょう。
建設業許可を受けるためには営業所が必要です。
営業所が必要であることは全国的に同じですが、細かい審査項目は自治体によって異なります。
よって私の今までの経験則から次の条件を満たせていれば問題ないリストを作成しましたのでご確認下さい。
特に一室に複数の会社がある場合は注意が必要です。
コワーキングスペースの共有スペースの一画でだと営業所として不適切だと判断されることがあります。また代表者が複数会社を経営していて同一の部屋を営業所として活用している場合もスペースを分けましょう。
同じ部屋でも使用スペースが明確に区分されていれば問題ないので、平面図で証明出来るようにしておきましょう。
チェックリストを確認していかがだったでしょうか。
先程のチェック項目の回答に対して、全て「YES」であれば問題ないと言っても過言ではありません。
固定電話回線の有無は自治体によって必須であったり、携帯電話番号でも問題ないと判断することもあるので事前にご確認ください。
営業所要件を証明する方法は営業所を撮影した画像データを印刷した写真です。
スマホなどで撮影し、申請書に貼り付けましょう。
時と場合によっては写真だけではなく現地調査も行いますので申請前に確認しましょう。
営業所に関して説明したものを切抜動画で作成したのでご確認ください。
4.社会保険加入要件 〜建設業許可〜
次は社会保険加入要件についてです。
建設業法上、社会保険とは次の3つを指します。
これら3つの保険に加入義務があるにも関わらず加入していないと建設業許可は取得できません。というのが建設業法上の要件です。
例えば法人であれば健康保険は全国健康保険協会か土建国保などが適切な社会保険にあたります。
市役所の窓口で発行する国民健康保険証では適切ではありません。
それでは適切な社会保険に加入しているかどうかはどのように判断するのでしょうか。
それは許可を申請する事業主が個人事業主か法人なのか、人を雇っているかどうかで決まります。
それぞれを表でまとめたのでご確認下さい。
(1)健康保険
(2)厚生年金保険
(3)雇用保険
簡単に判断する表は次の通りです。
「○」は加入義務がある、「-」は加入義務がないを意味します。
法人で労働者を雇用しているのであれば、原則全ての社会保険に加入しなくてはいけません。
それに対し、1人親方であれば建設業法上の社会保険に関しては原則適用対象外にあたり、どれも加入していなくても問題ないです。
証明方法は次の書類です。
それぞれイメージを確認しましょう。
社会保険の必要書類のイメージ
(1)(2)は全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入して口座振替をしている場合は次の書類が毎月届きます。
(3)雇用保険設置届出の事業主控えはこちらです。
社会保険の加入要件について動画でご理解されたい方は下記からご視聴ください。
5.専任技術者要件について ~建設業許可~
専任技術者とは分かりやすく言うと業種に関する技術的なプロで請負契約の責任者です。
建設業法上、業種は全部で29業種あります。例えば、とび土工コンクリート工事や消防施設工事業、解体工事業といったものです。
これら業種はそれぞれで許可を受ける必要があります。
どういうことかと言うと、とび土工コンクリート工事業という業種の建設業許可を取得しても別の業種である建具工事業に該当する500万円以上の工事を受注することは出来ないということです。
なので一言で建設業許可を取りたいと言っても、どの業種の許可を取るかが重要だということを冒頭でお話ししました。
その業種の許可を取得するためには、その業種のプロである専任技術者が申請事業主の元で常勤で働いていることが建設業法上の要件です。
ではどのようなスキルがあれば専任技術者として認められるのでしょうか。
次の3つのうちいずれかの条件を満たすことが求められています。
具体例を使って確認しましょう。
とび土工コンクリート工事業の許可を取得したければ自社に①〜③のいずれかの技能者が働いていることが必要です。
①とび土工コンクリート工事の実務経験が10年以上ある者
②とび土工コンクリート工事業に関連する学校・学科(指定学科)を卒業して、実務経験が3年〜5年以上ある者
③とび土工コンクリート工事業の専任技術者として認められる資格を有している者
これらの条件を満たしていることを書面で証明します。
実務経験の場合には工事の請求書や契約書に記載された工事名が重要です。その工事名で業種の判断をするからです。ただし中には無資格者の実務経験を認めない業種(電気工事や消防施設)などもあるのでご注意下さい。
また、どんな資格・指定学科が申請業種と対応しているかを調べることも重要になります。検索方法は建設業の手引きから確認するか、当事務所のサイト内検索から『○○工事業 専任技術者』と検索すれば解決できます。
[search]
実務経験は過去働いていた会社の経験も含めて構いませんが、過去の会社に連絡を取って請求書等を借りるハードルは高いと言えます。
もし過去に在籍していた会社と連絡を取りたくない場合には、こちらの動画が参考になるかも知れません。
動画を文字起こししたものはこちらです。
専任技術者の注意点!
専任技術者がいなくて許可を取れないと悩んでいる建設業者は少なくありません。
もし該当者を見つけたと思っても、要件を満たせていなかったことはあります。
そこで建設業者が勘違いしがちな、よくある注意点を4つまとめました。
それぞれ確認しましょう。
(1)専任技術者は一社に専属でなければならない
ほかの会社で専任技術者として登録されている人や他社で正社員で働いている人を雇っても、自社の専任技術者として登録はできません。
自社に専属かつ常勤で働けて、能力を書類で証明出来る方を選任しましょう。
(2)常勤で働く必要がある
常勤とは原則、申請会社で正社員で働いていることです。
アルバイトであれば自社の社会保険に加入していないと常勤性は認められません。
また取締役も専任技術者になれますが、常勤の役員でないといけません。その役員が健康保険で扶養に入っていたりすると認められない可能性が出てきます。
また他社で代表取締役を務めている人も要注意です。その専任技術者以外にも別の代表取締役がいるのであれば、その専任技術者は自社で常勤、他社で非常勤の代表取締役というロジックで説明が付きます。しかし代表取締役が一人だと、その会社で常勤で働いていないと考えることはおかしいことは頷けます。
もし専任技術者を新たに雇う、取締役として就任させる場合には、他の会社で働いていないか及び他社で代表取締役を務めていないかを確認してみて下さい。
常勤性の証明書類は、健康保険証のコピーです。
健康保険証には会社名が記載されているので、そこで確認しましょう。
もし加入している健康保険が全国健康保険協会(水色の健康保険証)ではなく、土建国保や健康保険組合であれば保険証に会社名が書かれていないことがあります。
その場合は、健康保険組合で加入証明書を発行して証明しましょう。
もしくは健康保険組合が発行する標準報酬決定通知書でも証明できます。
(3)実務経験は同一期間に重複できない
実務経験で専任技術者になる場合には複数業種で同一期間は重複出来ません。
どういうことかと言うと、10年間働いている労働者がいて、その間に大工工事業も内装仕上工事業も同じくらい請け負った経験があったとしても、その10年間は管工事か機械器具設置工事のいずれかしか認められないということです。
つまり10年間の実務経験で複数業種の専任技術者になる場合には最低でも20年間の実務経験が必要だとお考え下さい。
ただし、上記の例で言えば専任技術者が高校で指定学科である建築学科を卒業していれば、それぞれ5年ずつ実務経験を計上して2つの業種の専任技術者になれる可能性があります。
指定学科、つまり工業高校や理系の大学を卒業した人は自社に在籍していないかを優先的に確認することが大切です。
(4)実務経験を積んだ期間は常勤性があったことが原則求められる
実務経験期間を積んだ会社で当時から常勤性はあったのか確認されます。
わかりやすく言うと、正社員で働いていたのか、個人事業主であればアルバイトなどせず事業主の収入だけしかなかったのか、ということです。
自治体にもよりますが次のいずれかの書類があれば基本的には過去の常勤性は証明出来ます。
・厚生年金被保険者記録照会回答票(主に正社員だった期間。年金事務所で発行します)
・申請会社の決算書の役員報酬ページ(取締役であった期間)
・確定申告書の表紙(個人事業主だった期間)
もしこれらが用意出来無い場合には、本当にその会社に在籍していたのかを他の書類で証明します。
例えば源泉徴収票や給与明細、雇用保険の加入期間証明などです。ただしこれらで認めるかは申請自治体次第ですので事前に確認が必要です。
注意点は以上です。
専任技術者については、理解することが多くて難しいですよね。
この記事で書いた専任技術者のパートを10分程度の動画で別途まとめておりますので良ければご視聴下さい。
6.常勤役員等について ~建設業許可~
最後の許可要件は常勤役員等です。
専任技術者が取得したい業種のプロであれば、常勤役員等は建設業の経営のプロです。つまり建設業の経営のプロが申請会社で働いていないと許可は下りないということです。
申請者が個人事業主であれば本人、法人であれば役員がその対象になります。取締役なので代表取締役でなくても大丈夫です。
建設業法が改正される前までは経営業務の管理責任者、略して経管(ケーカン)と呼ばれていました。
なぜ経管と呼ばれなくなったのかというと、経管は1人じゃなくて複数人体制でも認められるようになったからです。
ただこれはある程度大きな会社の規定です。これから新規で建設業許可を取得する人には関係がありません。
詳しくは 『直接補佐者とは?経営業務の管理体制について解説|建設業許可』にて確認ください。
常勤役員等と認められる条件
それでは常勤役員等と認められる要件につき確認しましょう。
大事なことは次の2つです。
それぞれ確認しましょう。
(1)5年以上の建設業の事業主経験があること
建設業の5年以上の事業主経験を有していることが常勤役員等には求められます。
それは自社で施工した工事でも、以前取締役として在籍していた会社の経験でも認められます。またそれらを合算して5年以上の事業主経験がある場合でも大丈夫です。
注意点としてはこの5年の経験は請負工事の実績であることが必須です。
人工工事の経験は認められません。
請負工事であれば許可を取りたい業種以外の経験でも認められます。例えばとび土工コンクリート工事の請負実績が3年、大工工事業の請負実績が2年と併せて5年で常勤役員等の経営経験の要件証明が可能ということです。
ここは専任技術者との明確な差です。
そしてこれらの経験を有していることを書面で証明する必要があります。必要書類については個人事業主と法人で異なりますのでご確認下さい。
審査機関によっては個人事業主の確定申告書には給与所得があると、その期間は経営に専念していないと判断されて経営経験として認められないことがあります。事前に確認しましょう。
履歴事項全部証明書では取締役の就任期間を確認されます。
記載されているより過去の取締役期間を証明に用いる期間は閉鎖登記簿謄本も必要です。
(2)専属かつ常勤で働いていること
2つ目の条件は5年以上の経営経験がある者が、申請会社で専属かつ常勤で働いていることです。
ここは専任技術者とほぼ同じです。
他の会社で建設業法上の常勤役員等や専任技術者として登録されていれば認められません。
また、単純に他の会社で常勤の役員として就任していれば、申請会社で常勤で働いていると認められません。
書面による証明方法は申請会社の健康保険証です。
こちらも専任技術者と同じですね。
常勤役員等のまとめ
常勤役員等の要点をまとめました。
以上です。
常勤役員等については過去に建設業の許可会社で働いていたら証明方法が簡単になることがあります。それについては動画で詳しく説明しておりますのでご興味があればご確認ください。
原則以外の証明方法
原則5年の経営経験が経管には求められます。
しかし先程書いたように複数人体制以外にも認められる方法はあります。正直難易度は高いですが。
詳しくはこの記事にてご確認ください。
番外編 個人事業主で許可取りたいけど、経営経験がない!
もし申請者が個人事業主で、5年以上の経営経験がない場合には絶対に許可は取れないのでしょうか。
そうとは言い切れません。
その場合には次の3つを検討してください。
それぞれ確認しましょう。
(1)5年以上の建設業経営経験を持つ者を雇用し支配人登記をする
個人事業主の場合、原則は本人が常勤役員等の要件を満たす必要があると書きました。
しかし支配人登記といって、常勤役員等の経歴を持つ者を労働者として雇用し登記することで常勤役員等と認められる制度があるのです。
詳しくはこちらの「【個人事業主・急ぎで建設業許可取る方必見!】支配人登記とは?」でご確認ください。
注意点として支配人は欠格要件の対象者です。先程の質問を支配人候補に聞いてみてください。
(2)父親が建設業を営んでいて、その下で働いていたことの証明
②は父親が建設業許可の事業主で、それを稼業として手伝っていた場合に、経営経験として認められる仕組みです。
詳しくはこちらの「家族経営の建設業許可。個人事業主の許可を引継ぐための方法」をご確認ください。
(3)父親を支配人登記して、事業承継認可申請
父親が引退する、許可は不要になった場合に検討する選択肢とお考え下さい。
父親の許可番号を引き継ぐ形で許可を承継します。父親を常勤役員、専任技術者として申請すれば許可が取得できます。
許可番号だけ引き継ぎ、父親以外の要件を満たす者を支配人として登記するパターンでも可能です。
以上です。
いずれのパターンであっても常勤役員等の経営経験書類は必要ですので、書類を準備できるかも含めてご確認ください。
以上、許可要件の説明でした。
秋田県の建設業許可の申請方法
許可要件を満たせていることを申請書に書いたらそれを提出する必要があります。
秋田県で建設業許可申請書を提出する方法を確認しましょう。
提出方法は全部で2つです。
それぞれ確認しましょう。
(1)紙で申請する
建設業許可の申請書を印刷して提出する方法です。
秋田県の場合には、最寄りの振興局に提出します。
提出先は次の通りです。(令和5年現在)
提出部数は
正本1部、副本1部の計2部必要です。
ただし年度によって取り扱いが異なるので必ず事前に電話でご確認ください。
(2)電子で申請する
電子申請する場合には事業者はgbiz ID プライムアカウント という電子証明書類の登録が必要です。
発行まで1週間程度、期間もかかります。
詳しくはこちらのサイトからご確認ください。
つまり電子申請しようと思い立ってすぐ出来るわけではありません。
そう考えると、建設業許可申請のためだけにGbizの登録手続きをすることはもったいないと考える方がいても不思議ではありません。
しかし決してそうではないのです。
建設業法は許可を受けた後も毎年、手続きをすることが義務付けられています。その都度、紙ベースで郵送する手間も考慮すると電子証明書を最初に取得してもいいかもしれません。
新規申請時には紙で提出して、比較的落ち着いている時期に電子証明書を取得してもいいかもしれません。
https://gbiz-id.go.jp/app/agn/reg/newapply/input
手数料について
建設業許可を受けるために手数料がかかります。
これは書面でも電子でも同じです。
手数料は原則、都道府県の収入証紙(しょうし)で支払います。
収入印紙(いんし)ではありません。
収入証紙を購入するタイミングは基本的には申請書が受理されるタイミングです。
ある程度審査が進んだタイミングで役所に収入証紙を購入していいか確認してください。
一般の知事許可のみの新規申請の手数料は9万円です。特定の業種も取得する場合は合計で18万円かかります。
各種手数料の支払方法は都道府県のHPにてご確認ください。
収入証紙は間違えて購入すると返金対応をしていない、対応はするが返金まで時間がかかることもあるので、自社が支払うべき金額はいくらなのかを事前にご相談されることをお勧めします。
まとめ・所感
秋田県の審査基準や方法についてまとめました。
自社が取得すべき形態、業種を特定し6つの要件を満たしていることを書類で証明しましょう。
今までは建設業許可申請書は紙で提出する一択でしたが電子申請が解禁されました。それに伴い今までは地元の行政書士にしか依頼することしか出来なかったのが、全国の行政書士に依頼することが可能になったということです。
もし近くの行政書士に依頼をして許可がとれないと言われてお困りの方は次の記事をご確認ください。というのも都道府県によって審査方法は異なるのでその土地で長くやっている行政書士が知らないことも他の行政書士事務所なら思いつくということがあるからです。
別の都道府県にいる行政書士に依頼をするメリットについてはこちらからご確認ください。
また建設業許可の申請書を提出するには、この記事で申し上げた書類以外にも添付書類が必要です。
添付書類の収集方法も動画にて詳しく解説していますのでよろしければご視聴下さい。
お疲れ様でした!