経営状況分析とは 実務

この記事の結論と要約
経営事項審査を構成する1つである経営状況分析についてまとめています。自分で経営状況分析申請するにあたっての注意点や、提出する必要書類などが書かれています。経営事項審査は全体を通してスピードが大切です。期間には余裕を持って臨みましょう。

経営事項審査は公共工事を入札するために必要な手続きです。

経営事項審査は2つの段階で構成されていて、そのうちの1つが経営状況分析にあたります。

経営事項審査の全体的な流れが知りたい方はこちらの『経営事項審査とは何?一連の流れと注意点まとめ』をご覧ください。

この記事を読むことで経営事項審査の経営状況分析を全体的に把握することが出来ます

経営状況分析まとめ

経営状況分析とは言葉の通り、経営状況の分析をすることです。

決算書を基に全国で共通した基準で、一定の経営指標の数値を算出します。主な評価項目は収益性や健全性などです。経営指標が高いほど評点が高くなります。

経営状況分析申請の時期

経営状況分析を申請する時期は、税務申告が終わってから1ヶ月以内が目安になります。

決算書を基に建設業法で定められている建設業専用の決算書を作成します。その決算書は事業年度終了後に毎年提出する変更届と同じものです。つまり決算報告書が出来上がらないと原則作成出来ません。

実務的には経営状況分析から先に申請する方が効率的とされています。

経営状況分析機関の選択

経営状況分析は許可行政庁が分析するわけではありません。

一定の基準を満たした民間企業が分析しています。どこの分析機関でも構いません。東京都の分析機関は現時点では次の通りです。

機関の名称電話番号
(一財)建設業情報管理センター03-5565-6131
(株)経営状況分析センター03-5753-1588

経営状況分析に必要な書類

経営状況分析の申請に必要な書類は次の通りです。

◆経営状況分析に必要な書類


①経営状況分析申請書

②貸借対照表

③損益計算書・完成工事原価報告書

④株主資本等変動計算書

⑤注記表

⑥税務申告書別表16

⑦建設業許可通知書

⑧兼業事業売上原価報告書

⑨有価証券報告書の連結財務諸表

書類は以上です。

注意点

経営状況分析を申請すれば終わりではありません。

冒頭にも書きましたが経営事項審査は2つの段階で構成されています。経営状況分析は1つの段階が終わったにすぎません。次は経営規模等評価申請をする必要があります。

経営規模等評価申請をするためには経営状況分析結果通知書が必要です。経営状況分析申請をしてから通知書が届くまで約1ヶ月ほどかかります。

さらに経営規模等評価申請は毎日審査が受けられるわけではありません。

審査日は事前の予約制です。前回の経営事項審査の有効期限日ギリギリで動くと胃が痛い日々を過ごすことになります。必ず前倒しで経営事項審査には取り組みましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

経営事項審査はスピードと正確性が求められます。公共工事を入札しないのであれば、決算終了後2ヶ月以内に税務申告をすれば問題はありませんでした。しかし公共工事に入札するなら遵守事項です。1年7ヶ月という有効期限を切らすと、公共工事を施工できなくなります。

時間には余裕を持って経営事項審査に取り組みましょう。