建設業法違反 まとめ 罰則

この記事の結論と要約
建設業法違反に該当する代表的なものをまとめました。罰則と合わせて確認できます。許可取得後に罰則が適用されると欠格要件に該当して許可が取り消されるものもあります。3分で読める内容となっていますので、ご確認ください。

「建設業法違反に該当するのでこれはやめてください」

こんな言葉をよく専門家からその都度聞くけど、もっとひとまとめにして確認したいと思ったことはありませんか。

この記事を読むことで建設業法違反行為のまとめと、その罰則と注意点を知ることが出来るでしょう。

罰則の原則

許可に関して違反行為や義務違反があった場合は、許可取消処分などの行政処分を受けます。

その違反の程度に応じて罰則が決定します。

罰則と過料

罰則は一番重たいもので3年以下の懲役または300万円以下の罰金、一番軽いもので10万円以下の過料です。

罰金が刑罰の一種であることはご存知だと思います。

では過料とは何でしょうか。

過料というのは行政罰の一種で、秩序を乱したことに対する制裁金です。重大な違法行為ではないが約束破ったので支払うイメージです。

罰則の対象者

罰則の対象者は違反行為を行った本人だけでなく、違反行為者が所属する法人や個人事業主も罰則対象者です。

つまり雇い主です。

従業員が個人的にしたことだから雇い主は知らないは通用しません。

違反行為と罰金のまとめ

枠内の行為をすると、見出しの罰則が適用されます

枠内の違反行為を読み心当りがあれば、罰則を受ける可能性があると思ってください。

3年以下の懲役または300万円以下の罰金(もしくは併科)

・無許可営業

・下請け契約制限違反

・営業停止処分違反

・営業禁止処分違反

・虚偽、不正の事実にもとづき許可を受けた者

*法人は特に要注意!!理由は以下に記します。

6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金(若しくは併科)

・許可申請

・変更届

・経営状況分析申請

・経営規模等評価申請

これらを虚偽申請して提出した者

100万円以下の罰金

・工事現場に主任技術者監理技術者を適切に配置しなかった者

・許可行政庁からの報告、資料提出に応じない、虚偽の報告をした者

・許可行政庁などの検査を拒み、防げ、または忌避した者

10万円以下の過料(義務違反)

廃業届の届出を怠った者

・営業所や工事現場ごとに掲げる標識などの掲示義務違反

・営業所に帳簿を備えなかったり、帳簿に虚偽の記載をした者

建設業法違反

法人は要注意!!

個人が違反行為をした場合、その個人が属する法人はさらに重たい罰則を受けます。

法人は法人として個人とは別に罰金を支払う必要があります

3年以下の懲役または300万円以下の罰金の罰則対象になる行為を行った者が属する法人は1億円以下の罰金刑に処せられます

これらの行為は建設業法、特に悪質だと判断されるからです。

欠格要件に該当してしまう

やむを得ず違反してしまった場合に罰を受ければそれで終わりと考えている人はいないでしょうか。

冒頭にも書きましたが、これらの罰則(過料除く)を受けた場合、建設業の許可は取消される可能性があります。

取消されるだけならまだしも、向こう5年間は新たに建設業許可は取得できません建設業法に定められている欠格要件に該当するからです。

罰金や懲役刑を課す根拠となる法律が建設業法であり、欠格要件には建設業法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられて5年間経過しないものとあります

欠格要件についてはこちらの建設業許可の要件である欠格要件について』をご覧ください。

アイコン-チェック罰則についてのまとめ

・従業員が違反しても法人も罰則対象。法人の罰則は重い

・無許可営業や行政処分に従わない罰則が一番重い


・懲役や罰金の刑に処せられると、許可が取り消される可能性がある


・許可が取り消されたら、原則その事業所は5年間許可が取れない

 

まとめ

つまるところ罰則違反の対象になると建設業許可が取り消されるだけでなく向こう5年間は許可が取得出来なくなるおそれがあるということです。

最悪、罰則さえ受ければいいんでしょ、というスタンスの方はいても少人数だと思いますが、絶対にやめてください。

忘れやすいところは過料です。

法律違反ではなく義務違反ですので、即許可の取消にはなりません。しかし行政の是正の指導に従わず悪質だと判断されれば取消の可能性もあり得ます。

また建設業許可の取消といっても全てが以後5年間の新規申請が禁止されるものではないです。ペナルティではなく正式な手続きで行う許可取消もあります。

ご興味のある方はこちらの『しっかり判別したい2種類の建設業許可の取消』をご覧ください。

分からないことがあればご相談ください。