建設業許可を取得すると義務が課せられます。そのうちの一つは請負契約書を作成締結することです。作成するタイミング、記載項目等に定めがありますのでご確認下さい。
建設業の許可を取得すると許可業者には5つの義務が課せられます。
そのうちの1つが請負契約書を締結することです。
今までは請求書と通帳だけで対応していた事業所も請負契約書を結ぶ必要があります。
5つの義務についてはこちらからご確認下さい。
このページを読むことで請負契約書に記載する項目と、締結時の注意点を知ることが出来ます。
Contents
請負契約締結に関する基本的なルール
請負契約の締結に関しては次の規定があります。
・着工前に書面契約
・記載必須事項が適切か
・署名押印又は記名捺印
基本的に契約とは口約束で成立するものですが、建設業法は書面で契約書を作成しなくてはいけません。
これは建設工事の契約が従来から注文者が強い立場にたつことが多く、受注側との対等な立場での契約の実現が難しかったことが主な原因と言われています。
建設業は金額も大きくやり直しがききにくいため、口約束では後日紛争の原因となるため書面の作成と必須の項目を定めています。
請負契約書に記載する必須事項
必須記載項目は次の通りです。
■契約書に記載する14の記載必須事項■
1、工事内容
2、請負代金の額
3、工事着手の時期及び工事完成の時期
4、前払金または出来高払の時期及び方法
5、当事者の申し出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更または損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
6、天災その他の不可抗力による工期の変更または損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
7、価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額または工事内容の変更
8、工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
9、注文者が工事に使用する資材を提供し、または建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
10、注文者が工事の全部または一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引き渡しの時期
11、工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
12、工事目的物の瑕疵担保責任または瑕疵担保責任に関する保証等の措置に関する定めをするときは、その内容
13、各当事者の履行の遅滞その他の債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
14、契約に関する紛争の解決方法
上記14項目が記載されていることが求められます。
これらがないと基本的には適切な請負契約書とは認められません。
注文書と請書で工事は請けてはいけない?
請負契約書を締結することが原則ですが、必ず工事毎に請負契約書を結ばなくてはいけないのか。
それは違います。
注文書と請書を作成することで、部分的に請負契約書の作成義務が免れることが出来ます。そのための条件は請負基本契約書又は基本契約約款を作成することです。
請負基本契約書とは
請負基本契約書とは全ての建設工事の取引の原則的な部分を定めた契約書です。
書く工事の具体的な部分については注文書と請書の交換で定めます。
事前に②の基本契約書を締結して、工事がある度に注文書と請書を交換します。
注文書と請書には『記載されていない事項にかんしては基本契約書の定めによるべきこと』と明記しましょう。注文書と請書にもそれぞれ記名押印します。
基本契約約款とは
国土交通省の諮問機関である中央建設業審議会が作成している契約の基本的なルールです。
建設業法に適合した契約書で作成され、導入を推奨されています。