特定の機械器具設置工事業の建設業許可を取得するためのハードルは高いです。その理由としては認められる資格が少なく、その資格取得の難易度のハードルも高いからです。よって実務経験で取得する事業者が多いです。その実務経験を用いて監理技術者を取得することが一番現実的かと個人的には思いっております。ご関心ある方はこの記事にてご確認ください。
特定・機械器具設置工事業の建設業許可を取得するためには1級相当の上位資格か二年以上の指導監督的実務経験を有する技術者を直接雇用していることが必要です。
資格は技術者でしか認められずハードルがとても高いので、指導監督的実務経験を有している形で許可を取得することが現実的です。
実務経験があるとみとめそのためには監理技術者証を取得しましょう。
ここらへんについては別記事にて書いておりますのでご確認ください。
【特定・機械器具設置工事業の建設業許可が欲しい!】実務経験で専任技術者の要件を満たす方法
今回は指導監督的実務経験を2年以上有することの認定を受ける形で申請書を作成する場合の流れと注意点につきまとめました。
特定の機械器具設置工事業を取得する事業者はご確認ください。
Contents
監理技術者申請書の作成 注意点、必須知識
監理技術者の申請書を作成するために知っておくべきことは大きく次の3つです。
それぞれ確認しましょう
①申請書のダウンロード、提出先
監理技術者証を管轄している団体は一般財団法人 建設業技術者センターです。
特定の機械器具設置工事業を取得したい事業者は左下の新規申請(実務経験)をクリックしましょう。
そこで実務経験証明書を取得し要件を満たせていることを記載します。
今一度確認ですが、特定の機械器具設置工事の専任技術者になるための現実的な方法は一般の専任技術者要件+指導監督的実務経験を②年以上有することです。
つまり実務経験証明書を作成する際に、指導監督的実務経験だけ記載すればいいわけではありません。
一般の専任技術者要件を満たせていることも記載する必要があります。
しかも一般・機械器具設置工事は国家資格等で該当するものはないので実務経験を記載する必要があります。
実務経験は原則10年ですが、機械科などの指定学科を卒業していれば3年から5年で条件を満たせます。
機械器具設置工事業であれば大学で機械科、電気科、建築学科を卒業したものであれば3年、高校で同様な学科を卒業していれば5年で認められます。ご確認ください。
申請書の提出先はインターネットか最寄りの支部です。
個人的にはいずれの方法で申請するにせよ、事前に書類の下書きを支部の担当者に見せた方がいいと思っています。
その理由は実務経験証明書の書き方は結構複雑だからです。
②実務経験は古い順番で並べる
監理技術者の実務経験証明書は令和5年12月現在、このようなフォーマットとなっております。
1,2,3と工事の情報を記載することが求められます。
一番右の列に指導監督的実務経験を記載して、その左隣りに一般の実務経験を記載するという関係性です。
工事の実務経験として記載する項目は次の5つです。
(1)工事名
(2)発注者
(3)請負金額
(4)機械器具設置工事の分類
(5)工期
このうち特に重要な項目が(3)の請負金額と(5)の工期です。
請負金額は4,500万円以上でないと指導監督的実務経験としての基準は満たせません。指導監督的実務経験なので元請業者としての経験であることが求められます。
また指導監督的実務経験は2年以上ないと認められません。
その2年を確認する項目が(5)の工期です。ここが合算して2年以上になることが重要です。
また書き方は工期が古い順番で記載します。
注意点は、実務経験証明書には一般の専任技術者の要件を満たす実務経験と指導監督的実務経験を関係なく、期間が古い順番(過去から現在への向き)で記載するということです。
一般の専任技術者の実務経験要件は4500万円に達していなくても下請の実績でも当然認められます。また指導監督的実務経験を一般の実務経験として兼ねることも可能です。
(例 指定学科大卒で指導監督的実務経験が2年あれば、一般の専任技術者要件は3年あれば要件を満たせるので、残りは1年証明すればいい)
この記載方法が意外に難しいので、手引を熟読してある程度完成させたら最寄りの支部の方に事前確認という意味で見てもらえるのであれば見てもらいましょう。
③実績の証明書類について責任者に確認が入る
監理技術者実務経験証明書には押印が必要ありません。
そしたら自由勝手に記載できてしまいますよね。
それを防ぐためにこの実務経験の内容に信憑性を確認するために、次の2点が確認されます。
それぞれ確認しましょう
①指導監督的実務経験にかかる工事の契約書などの証明書類
①は建設業許可の実務経験を証明する際に使用するものとほとんど同じです。
ここで監理技術者になろうとする者が指導監督的実務経験を積んでいたのか確認されます。
よって下請業者や監理技術者となろうとする者の存在が確認出来る資料が必要です。
施工体制図や下請業者一覧表、工程表などの提出が求められるとお考え下さい。ただ金額的に施工管理体制図が必要のない工事もあるので、その場合にはその旨を伝えて少なくとも契約書だけは提出しましょう。
個人的には証明書類としては、許可行政庁に提出済の決算変更届の一部である工事経歴書を証明書がおすすめです。
②証明者欄にある責任者に電話
監理技術者実務経験証明者欄に、記載した実務経験の内容に関して説明できる者という欄があります。
ここに記載された人宛に実務経験の内容や資料の信ぴょう性につき電話で問い合わせが入ります。
必ずしも電話が入るわけではないかもしれませんが、弊所が支援したケースでは電話が入ることがほとんどでした。
またここに記載する人の名前と電話番号は会社でも責任者レベルの方を書くように指導を受けます。
万が一情報が虚偽であった場合には、会社の上層部がその虚偽を推し進めたということになるということです。
つまりこの責任者として名前を書く人は指導監督的実務経験とは何なのかを正確に理解しておかなければならないということです。
その人の回答次第で経験として認められないからです。
例えば、下請け業者が入っていない工事で、誰にも指導していないのに指導監督的実務経験と書いていれば、それは認められないでしょう。
職名に現場代理人と書いていて、施工管理には携わっていない回答することも認められないと考えられます。
実績が正しいことはもちろん、具体的にどんなことを指導監督したのかを責任者が工事ごとに把握しておくことがとても重要ということです。
まとめ
監理技術者の申請書の書き方について注意点をまとめました。
特に実務経験証明書の欄は書き方自体は複雑ではないのですが、ルールがしっかりありますのでご注意下さい。
また監理技術者証明に関しては過去に虚偽の実績で証明書を取得していた事業者がいたこともあり、年々と確認する事項が増え、厳しくなっている印象です。
責任者の方は文字通り責任とることはもちろん、指導監督的実務経験とは何なのかを理解して説明出来ることも求められていると言っても過言ではありません。ここらへんは行政書士に作成代行をしても、責任者への問い合わせは避けられませんのでご注意ください。
監理技術者証の取得を希望される際に本記事が参考になれば幸いです。