建設業許可を取得するための要件の一つに建設業にかかわる経営経験が5年以上あることがあります。
この経営の経験は個人事業主の経験も認められ、事業主経験は原則,確定申告書と工事の注文書等で証明します。
確定申告書内に事業所得があれば、事業主であったことが確認出来るからです。
ここで問題になることとして、確定申告書内に給与所得が確認出来るケースです。
例えば基本的には個人事業主であったが、週末だけアルバイトをしていた場合や、とある昼間は会社員で夜と週末は自分の事業をしていたケースです。
なぜ問題なのか。
それは建設業法の事業主の経験として認められるかどうかに関わるからです。
実際に弊社への問い合わせにも「確定申告書を見られて『給与所得があるからダメです』と言われた、という相談は意外と多いです。
いまこのコンテンツをご覧になっている方は、給与所得があるから建設業法の事業主経験として認められないと言われ困っている方ではないでしょうか。
このコンテンツを読み、給与所得があった場合にはどうすればいいのかその対策と実務上の取扱につきご確認ください。
Contents
経営者経験と給与所得に統一した見解・取扱はない
まず大前提として個人事業主時代に給与所得があれば経営経験を認めないという統一的な見解・取扱はありません。
許可申請書の提出先である審査する行政(以下、許可行政庁)によって見解・取扱が異なります。よって給与所得がある=経験として100%認められない、というわけではありません。
よって、まずは自社を審査する許可行政庁の取扱を確認することが必要です。
許可行政庁の取扱パターンを確認してみましょう。
パターンとしては3つに分けられます。
それぞれ確認してみましょう。
①給与所得が1円でもあったら認めない
多くの自治体が導入している取扱だと個人的に考えております。
サラリーマンであった期間があれば事業主ではないという考えです。
この考えを持つ許可行政庁に申請する場合には、基本的には経験を認められることは難しいと言えるでしょう。
ただし給与の支払いを受けた期間が通年でない場合には、給与を貰っていない期間は事業主だと認められることがほとんどです。
給与明細や厚生年金被保険者記録照会回答票で給与を受けている時期、独立している期間を区別して証明しましょう、
②給与が発生した事情・給与額の大きさによる
事業所得と比べて給与所得が低額の場合には、独立して経営していたと認める取扱です。
アルバイトが最たる例です。
他にも個人事業主であれば自治会の付き合いで参加しなければならないこともあるでしょう。そこから貰ったお金を給与で申告している場合には、事業主を否定するのはあまりにも酷です。
金額的にも少ない場合には事情を汲んで事業主性を認めるといったことがあります。
一方、事業主として所得がありつつも500万円程度の給与所得があれば、それはフルタイムで働いているでは?と推定が働き事業主性を認めないという取扱も。
この金額以下であれば事業主性として認めるといった統一的な基準はないように思いますが、一般的な正社員より明らかに少ない場合には問題ないことが多いと思われます。
私が過去に許可取得を支援した事業者さまでは月額のサラリーが多いと指摘されたケースがありましたが、その方は1級の施工管理技士を持っていたため時給が高めに設定されていた事情を話して事業主性が認められたこともありました。
つまるところ、許可行政庁が給与所得があったとして内容次第では経験を認める、認めないというパターンがあるということです。事情がある場合には相談してみてはいかがでしょうか。
③給与所得があっても事業主性を認める
数少ないパターンですが給与所得があり額が多寡でも問題ないと判断する許可行政庁もあります。
以上のことから、あくまでも許可行政庁によって判断が異なるという認識が重要だと言えるでしょう。
ではどうすればいいのか
給与所得の有無によって経験を認める認めないの取扱があるということがわかりました。
このコンテンツをご覧になっている方は、許可を取得したいが給与所得があるために事業主性が認められず困っている方でしょう。結局どうすればいいの?が本音のはずです。
取り急ぎ出来ることして、以下確認ください。
(1)絶対に確定申告書を提出する必要はあるのか
(2)給与所得を貰っていた会社で経験を証明出来ないか
①はほとんどの許可行政庁が個人事業主の経験として認めるにあたり、確定申告書の提出を求めますが許可行政庁によっては契約書等のみで認めるところもあります。つまり確定申告書以外の書類でも認めるパターンがあるため、手引をしっかり確認しましょうという趣旨です。
②は例えばその給与所得が法人の役員報酬のケースです。
そこが建設業の会社であれば法人の実績を活用して申請すれば確定申告書の提出は必要ありません。また施行規則第7条第一号イの(3)に該当するような実績がないかも考えられます。
この2つは必ずご確認ください。
まとめ
建設業許可要件である常勤役員等の5年以上の経営経験が必要です。
個人事業主の経験も経営者経験として認められ、確定申告書と当時の工事の注文書等で証明します。しかし確定申告書内に給与所得があれば、事業主としての経験が認められないことがあります。
それは許可行政庁次第で、絶対に認めれないケースもあれば事情を鑑み認められるケースもあるということを書きました。
その対策として確定申告書は経験証明書類としては必須なのか、給与所得の方で経験を証明出来ないかについては必ず確認されてください。
この2つを確認したけどダメだった!という場合もあるでしょう。
他の方法でもケースバイケースによって認められることはありますが、あまりにも個別具体的すぎるためここでは書ききれません。
自分で調べても解決しない場合は、諦めずに専門家に相談してください。
お疲れ様でした。









