委託を受けて産業廃棄物(以下、産廃)を収集運搬するには許可が必要です。要件を満たして許可を取得すれば、あとは何でもいいわけではなく許可業者だからこそ遵守すべき義務が課せられます。重要なルールは4つにまとめられます。収集運搬の許可をこれから取得予定の事業所様は一度目を通して見てください。
事業に伴い排出した廃棄物を収集運搬するためには、都道府県等から許可を取得する必要があります。
産業廃棄物の収集運搬の許可を取れば、合法的に委託を受けて報酬を受けられます。
しかし許可を取れば万事OKというわけではありません。許可業者だからこそ課せられるルールがあります。
気付かぬうちに違反行為を繰り返して、行政処分を受けた。こんなことは絶対に避けたいですよね。
守らなくてはいけなルールは多くありますが、中でも重要なルールを4つにまとめました。
この記事を読むことで、産廃の許可業者が特に順守するべき4つのルールを知ることが出来ます。
Contents
4つの遵守事項
産廃の許可業者が遵守する4つのルールは次の通りです。
1つずつ確認しましょう。
①運搬車・船舶に、必要情報を表示する
産業廃棄物を収集運搬するためには車両や船舶が必要ですよね。
運搬車両に産業廃棄物を運搬している旨を外部に表示しなくてはいけません。
具体的には車体の両側面に次の3つの項目の表示義務があります。
・産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨
・事業者の氏名又は名称
・処理業の許可番号
カッティングシートやマグネットが主流のようです。
このような必要情報が記載されたマグネット等を運搬車両の両側面に貼ります。
ちなみに排出事業者が自ら運搬する場合は一番下の許可番号は不要になります。(許可が不要)
また運搬車両内には産業廃棄物管理表(マニフェスト)と処理業の許可証の写しの携帯が義務付けられています。
②台帳を5年間保存する
許可業者は運搬の委託を受けた記録をつける義務が生じます。その記録したものを台帳といいます。
台帳は1年ずつまとめて、最低で5年間保存する必要があります。もしなにか問題が生じた時に台帳を基に解決を図るためです。
一年分だけないなど耳にしますが、厳重に管理するようお願いします。
③再委託の禁止
再委託とは、排出事業者と当初に委託契約を結んだ処理業者が、受託した廃棄物の処理を他の者に委託することです。
なぜ再委託を禁止しているのか。
それは再委託することにより処理責任が不明確になり、不適正な手続きを誘発するためと言われています。
ただし以下の場合は再委託の禁止規定から除外されます。
『あらかじめ再委託する旨の契約を排出事業者に伝え、再委託業者の氏名等の必要情報が記載された契約を書面で結ぶ』
産廃業者には排出した事業所に処理責任が課されています。つまり排出事業者が、どの事業所が産業廃棄物を収集運搬して最終的に処分することが明確に把握していることが重要です。
そのルールに則っている限り、再委託は可能です。ただし、直接委託を受けて処理することが原則ということは忘れないで下さい。
④マニフェストの携帯義務
マニフェストとは産業廃棄物管理表のことを指します。
産業廃棄物は、排出事業者が自らの責任で適正に処理することになっています。その処理を他人に委託する場合には、マニフェストを交付して収集運搬業者、処分業者に産業廃棄物の情報を正確に伝えなくてはいけません。
マニフェストに記載されている項目は次の通りです。
必要事項を記載したマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して、委託した産業廃棄物が適正に処理されていることを把握します。
産業廃棄物を排出した事業者が収集運搬業を委託した産業廃棄物が適正に処分されたのかという確認を書類上で確認する重要な管理票です。
収集運搬業者は運搬業者に携帯義務が課せられます。またマニフェストも台帳と同じように5年間保存する必要があります。
まとめ
いかがでしょうか。
事業の許可を受けると責任が重くなるのは致し方がないのは一般的な考え方ではないでしょうか。
産業廃棄物の中には毒を始め危険物がたくさんあります。適切に収集運搬され処分されなくては環境に害を与えます。
それらを防ぐために許可業者には4つの義務を課して適切に産業廃棄物を処理することを徹底させます。
ゴミは生活の活力とも言えます。生活している以上、必ず排出されます。安全な暮らしを実現させるためには適切に廃棄物が処理されたことの仕組みづくりが必要ですよね。
その仕組みづくりが、許可制と許可後の義務ということです。