経営規模等評価申請とは

この記事の結論と要約
経営事項審査の概要と、そのうちの1つである経営規模等評価申請について基本的なことをまとめています。経営規模等評価申請のことが全く分からないかた向けに書いた記事です。全体像を把握することができるでしょう。文末のまとめに注意点を箇条書きしています。参考にしてください。


公共工事を入札して施工するためには、経営事項審査(以下、経審)を受ける必要があります。

経審は経営状況分析と経営規模等評価申請の2つに大きく分けられます。

一般的に経審と呼ばれているものは経営規模等評価申請にあたり、最終的に算出される総合評定値の8割を占めます。総合評定値の点数を高めるためには経営規模等評価申請の点数を高めなくてはいけなません。

この記事を読むことで経営規模等評価申請の実務の概要を知ることが出来ます

経営規模等評価申請とは

経営規模等評価申請について基本的なことをまとめました。

審査庁

審査機関は建設業の許可行政庁です。

経営規模等評価申請を受理して点数を算出します。

大臣許可の場合は本店所在地を管轄する国土交通省地方整備局長、知事許可の場合は本店所在地がある都道府県知事に対して申請します。

申請時期

決算日から5~6ヶ月以内です。

前年度も経営規模等評価申請をしている事業所は決算日から6か月を超えて、申請すると前回受けた経営事項審査の有効期限が切れてしまいます。つまり公共工事が施工できない空白期間が生じます。必ず6ヶ月以内に申請しましょう。

経営規模等評価申請は審査日時が指定される場合が多いので、事前の予約が実用になります。必ず許可行政庁に問い合わせをしましょう。

総合評定値通知書とは

公共工事に入札するためには経営事項審査が必要です。

どういうことかいうと経審を受けることで最終的に総合評定値通知書が発行されます。この総合評定値通知書が公共工事に入札するために必ず必要です。この通知書に書かれている点数で発注される工事が決まります。

有効期限は1年7ヶ月

総合評定値通知書には有効期限があります。

決算日から1年7ヶ月です。3月決算の事業所ならば翌年の10月末日までが有効期限になります。

有効期限は1年7ヶ月と書きましたが実質は1年弱です。

というのも経営事項審査は経営状況分析と経営規模等評価申請と構成されています。それぞれの段階で経営事項審査を完遂させるために必要な通知書を発行される期間を合算すると概ね1年7ヶ月ほどかかります。

決算日から6か月以内に経営規模等評価申請を受けないということは、有効期限の1年7ヶ月以内に総合評定値通知書が発行されないということを意味します。

新しい総合評定値通知書を取得出来れば、旧通知書は不要です。

有効期限切れの最大の問題点

有効期限が切れることにより、旧通知書との間に空白期間が生じます。

有効期限中に落札した工事であっても請負契約は結べません。また有効期限が切れたことを忘れて、入札に参加すると指名停止の措置をとられて1~2年ほど入札出来なくなることもありえます。

まとめ

経営規模等評価申請についてまとめてみました。

この記事で覚えておいてほしいことは次の枠内です。

◆経営事項審査の重要な点

・公共工事から直接工事を請け負うためには経営事項審査を受ける必要がある。

・経営事項審査は経営状況分析と経営規模等評価申請2つに分かれている。

・経営規模等評価申請は全体の評価の8割にあたる。

・経営規模等評価申請は3月決算の場合、どんなに遅くとも8月中には終わらせる。

・毎年、公共工事の入札参加したい場合は1年7ヶ月という有効期限が遵守。

経営事項審査はスピードが命です。

申請書に不備があり補正を命じられると、総合評定値通知書の発行が遅くなります。ゆえに過去に総合評定値通知書を受けている事業所は有効期限が切れ許可の空白期間が生じることも。

絶対に失敗したくない場合は専門家に頼ることをおすすめします。