建設業は高齢者の就業が増え、労災にはより慎重に向き合う必要があります。労災を未然に防ぐためには設備や機器等の費用がかかります。その費用を一部負担する補助金がエイジフレンドリー補助金です。詳しくは記事にてご確認下さい。
【令和5年度分は締切りました】
過去10年間で、60歳以上の働く高齢者は1.5倍に増加。転倒事故などの労働災害率も高まっています。
事業者は、労働災害防止対策が求められており、負担も少なくありません。特に建設業者においては高齢者の就業比率も高く労働災害の墜落・転落・転倒が多く、安全のために経費は年々かかります。
そういった安全経費の費用を一部国が負担する補助金があります。
令和2年度に新設された「エイジフレンドリー補助金」をご存じですか?
職場環境の改善に要した費⽤が補助されるものです。
この補助⾦は審査があり、すべての申請者に交付されるものではありません。
こちらの記事では、対象者、補助金額、支給要件などについて確認できます。
Contents
エイジフレンドリー補助金とは?
高齢者が安心して安全に働けるよう、職場環境の改善に要した費用の一部を補助するものです。
対象となる事業者
①~③すべてに該当する事業者が対象です。
①60歳以上の労働者を常時1人以上雇用している
※労働者は、対策を実施する業務に就いている必要があります。
②次の表のいずれかに該当する中小事業者であること
※労働者数または、資本金等のどちらか一方の条件を満たせば中小事業者となります。
③労働保険に加入している
いくら補助される?
補助金額は、高年齢労働者のための職場環境の
改善に要した経費の1/2
上限は100万円(消費税は除く)
※交付には審査があり、全ての申請者に交付されるものではありません
補助対象となる職場環境改善
補助対象となる職場環境改善は次の4つです。
それぞれ確認しましょう。
①転倒・墜落災害防止対策に関する費用
・作業床や通路のつまずき防止対策(作業床や通路の段差解消)
・作業床や通路の滑り防止対策(水場等への防滑性能の高い床材・グレーチング等の導入、凍結防止装置の導入)
・転倒時のけがのリスクを低減する設備・装備の導入
・トラック荷台等の昇降設備の導入 ・高所作業台の導入(自走式は含まず。床面から2m未満の物)
・階段への手すりの設置
・身体機能のチェックや運動指導の実施
②重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策に関する費用
・不自然な作業姿勢を解消するための作業台等の設置
・重量物搬送機器
・リフト(乗用タイプは含まず)
・重筋作業を補助するパワーアシストスーツの導入
③暑熱な環境による労働災害防止対策に関する費用
・熱中症リスクの高い暑熱作業のある事業場における休憩施設の整備、送風機の設置
・体温を下げるための機能のある服の導入
・熱中症の初期症状等の体調の急変を把握できる小型携帯機器(ウェアラブルデバイス)による健康管理システムの導入
④その他の高年齢労働者の労働災害防止対策
・業務用車両への踏み間違い防止装置の導入
手続き
補助金交付申請に必要な書類は7つです。
①エイジフレンドリー間接助金交付申請書(様式1)
②誓約及び申立書(様式1-1)
③高年齢労働者名簿(様式1-2)
④補助金対象経費内訳書(様式1-3)
⑤日本標準産業分類(別添)
⑥労働保険申告書・領収書の写し
⑦添付資料(見積書・カタログ・写真など)
※①~⑤は厚生労働省のページからダウンロードできます。
交付申請の流れ
申請先は(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会の補助金事務センターです。
①補助金事務センターへ郵送で補助金交付申請する
↓
②交付決定された後に、対策を実施して費用を支払う
↓
③対策実施後に、補助金事務センターへ実績報告と補助金請求をする
↓
④補助金が交付される
※交付決定⽇前の物品の購⼊や⼯事は、補助⾦の⽀払いの対象となりません。
注意点
※交付決定額が予算額に達した場合、申請期間中であっても受付を締め切ります。
令和5年度は、11月20日に締切られました。
既に受付をしている申請についても、補助金予算額に達した後は、審査されません。
令和6年度の申請が開始されましたら、早めの手続きをおすすめします。
まとめ
☑高齢者が安心安全に働けるように職場環境改善をする
☑対策に要した費用の1/2が補助される(100万円が上限)
☑補助決定通知前の購入や工事の発注は対象外となる
高年齢労働者の働きやすい職場作りをすることによって、事業者は、労働災害防止と人材確保ができます。
費用の一部が補助される「エイジフレンドリー補助金」の活用を検討されてはいかがでしょうか。